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甘木鉄道2016
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 九州・甘木へ弟と墓参りに行くことになった。東京から来る弟とは13時に甘木駅で待ち合わせ。そうとなれば、こちらは前乗りして午前中に撮り鉄をしようと思い立ったのであった。
 学生時代、甘木へは何度も行ったのに、当時の国鉄甘木線だけでなく、甘木鉄道となってからでも、10年以上前にちらっと立ち寄っただけだ。ということで、本格的な撮影は、今回が初めてなのであった。

■ 朝の部

 前夜、雨の中、甘木に到着。いつも以上に天気予報が気になるが、翌日の予報も芳しくない。
 翌朝6時前にホテルの窓から外をうかがうと、東の空がうっすら赤く染まり、朝日が拝めそうな気配。早速ホテルを出て、目星をつけていた甘木〜高田間の築堤へ向かう。途中で傘を忘れたことに気付いたが、引き返す時間もないのでそのまま進む。やがて雲はどんどん消えて晴れ間が広がる。結果的にこの日は好天に恵まれ、傘の出番は全くなかったのであった。
 当日は休日ダイヤなので、さすがに15分ヘッドとはいかないが、それでも約30分に1本の列車が設定されている。それが上下行き交うのだから、撮影のチャンスは30分に2回あるわけだ。
 目指した築堤にはススキが生い茂り、朝日に輝いている。大好きなシチュエーションである。その中をひんぱんに列車がやってくるのだからこたえられない。ただ、撮り終えてみるとどれも同じような写真ばかり。その中から2枚だけ選んでみた。下り63列車のAR306と上り70列車のAR304だ。


朝日を反射してshadowshadow


朝日に輝く輝くススキshadowshadow


 こうして築堤でススキを入れて撮影していると、最近、足しげく通っている北条鉄道の粟生〜網引間の築堤とイメージがだぶってしまう。そもそも路線長だって甘木鉄道の13.7キロに対して北条鉄道は13.6キロとほぼ同じなのだ。双方とも単線非電化で、車両も同じ富士重工(現在は新潟トランシス)製のLE−DCと、全体的にも似ているのである。
 大きな違いはしつこいけれど列車本数で、甘木鉄道は平日で42往復あり、北条鉄道の17往復の約2.5倍である。甘木鉄道では本数を増やすために信号場を含めて3駅が列車交換に対応している。対する北条鉄道も、網引駅北条口駅長駅の3駅に交換施設の痕跡が残り、かつては同等のポテンシャルを有していたことがわかる。実際、法華口駅の交換施設を復活させる計画があったそうだが、財政的に厳しく棚上げになったという。会社の状況を見ればもっともで、それだけに甘木鉄道はよくがんばっているなあと感じるのである。
 話を撮り鉄に戻そう。ずっと築堤の下から逆光で狙ってばかりだったので、順光でオーソドックスに撮ろうと六田踏切付近で構える。やってきたのは下り71列車のAR307。車体の前後で色が異なるユニークな塗色は、地元甘木の朝倉高校の女子高生によるデザインだそうだ。


六田踏切で71列車shadowshadow


 ホテルに引き上げる道すがら、先ほどの築堤の反対側、つまり光線の当たる側から上り74列車を撮ってみた。大好物のススキなのだが、あまりに茂りすぎて列車が隠れてしまうのが玉に瑕。なんて考えてしまうところに、相変わらず撮り鉄の身勝手さが表れる。


ススキの築堤を行くAR306shadowshadow



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