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岳南鉄道
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跨線橋越しの7000形
 前夜、沼津に泊まり、吉原にやってきた。
 JRのホーム西端に跨線橋があって、これを渡れば岳南鉄道の改札口に至る。
 ちょうど1両の赤い電車7000形が到着した。元京王電鉄井の頭線3000系である。
 顔つきは井の頭線と同じに見えるが、実は中間車の両端に新たに運転台を設けたものだ。

 その赤い電車に乗って、終点岳南江尾まで行ってみる。そこにはもう1両の赤い電車が停まっていて、仲良く並ぶことになった。
 この日は雲ひとつない好天に恵まれ、真っ青な空に真っ赤な車体が映える。


岳南江尾にて



赤ガエルとED29
 途中の岳南富士岡駅にたくさんの車両が留置されていたので、そこまで戻ってみる。
 駅のおばさんに、「鉄道ファン? どうぞ写真を撮っていってくださいね」と愛想良く迎えられ、気分よくカメラを構える。
 左の車両は説明するまでもなく、元東急5000系で、残念ながら廃車となったもの。
 右は元国鉄のED29。こちらは車籍はあるものの、ほとんど動くことはないようだ。

女子高生(例によって小さめに)
 誰もいないつもりで待合室に戻ってみると、女子高生がぽつんとベンチに座っていて、どきっとする。
 とてもアンニュイな表情をしていて、こちらのことも眼中にないようだ。
 学校はもう始まっているはずだが、具合が悪くてアンニュイなのか、さぼってしまってアンニュイなのか・・・。
 ちょっと気になったので(って、変な意味じゃないから誤解なきよう)、「どうしたの?」と声をかけようかと思ったが、そっとしておくことにした。

 岳南富士岡からは、比奈までたった一駅だけど電車で向かう。
 今度はグリーンの電車8000系がやってきた。もちろん、これも元京王電鉄井の頭線の車両だ。


グリーンの8000系


 比奈へ行ったのは、もちろん、ここで入換作業に従事している1928年生まれの古豪機関車ED501が目的である。
 奥の工場へ行ったまま、なかなか出てこないので、やきもきしたが、ほどなく貨車を牽いて目の前にやってきた。
 興奮してED501にカメラを向けていると、突然警笛が鳴って我に返る。次の電車が近づいていたのだ。慌てて数歩下がって撮ったのが左下の写真。
 それにしても、この歳になって接近する電車に気づかないほど舞い上がるとは、ちと恥ずかしい。
 右下の写真と見比べればお分かりのように、入換作業はホームを挟んで両側で行われる。だから、ホームのベンチは絶好の観覧席なのだ。

ED501   入換中のED501


主力のED40形
 入換作業中に本線の貨物列車が到着した。こちらは戦後生まれのED40形で、2両在籍して岳南鉄道の主力機関車である。
 ずっとホームで入換を見ていたいところだが、そろそろ引き上げる時刻が近づいてきた。
 そう、やっぱりこの日も東京日帰り出張に引っかけたものであった。

【2003年9月現地、2005年10月記】

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