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平成筑豊鉄道2017
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 翌朝、再び高屋川で朝日を撮影したものの、前日とまったく同じような出来だ。自分でも嫌気がさしてしまったので、写真は省略。
 ホテルをチェックアウトして、この日は崎山より先へ行くことにする。途中、今川河童〜豊津間の線路沿いに菜の花を見かけたので、立ち寄ってみた。
 既に先客がスタンバイしていたが、なんとその先客とは、前日、犀川〜崎山間で出会った地元の撮り鉄ではないか。思わず「おはようございます」と声をかけると、先方もびっくりした様子。沿線で撮り鉄の姿はあまり見かけなかったのに、ピンポイントで再び出会うとは。彼とは趣味というか思考が似ているのかも。
 ただ、その場所は立ち位置が限られ、一緒に撮ると邪魔になりそうなので、別の場所で下り列車を撮って戻ってみると、もう彼は立ち去った後であった。それならばと、次の上り列車は前面に陽が当たらないことは承知のうえで撮影してみる。前日の犀川〜崎山間に比れば菜の花はずっと少ないのだが、築堤を見上げる形となったおかげで、意外にボリューム感を出せたように思う。


満開の菜の花shadowshadow


 その後は先を急ぎ、一気に赤〜内田間へ。ここへはどうしても午前中に来たかったのである。というのも、この区間はほぼ南北に走っているので、もし東側から順光で撮るなら、午前中しかないからだ。その東側からの撮影場所に、レンガ造りのアーチ橋を選んでみた。


赤〜内田間のレンガアーチshadowshadow


 そして少し陽が陰ってしまったが、同じく東側から菜の花の咲く法面上を行く下り列車を逆光で。


菜の花の咲く法面shadowshadow


 昼時になって陽は西側へ回った。その頃合いを見て、いよいよ有名な内田三連橋、通称「みつあんきょ」へ。ここもレンガ橋ではあるものの、東側は石積みで補強されているので、レンガのままの西側のほうが絵になるのだ。それも、建設当時は複線化の計画があったので、増設しやすいようレンガが凸凹に積まれていて、あたかも装飾を施したような美しい紋様を描いているのである。
 列車が来るまで三連橋をつぶさに観察する。すると、凸凹に積まれたレンガが、一斉に手を差し伸べているように見えてきた。内田三連橋は、明治28年(1895年)に作られたというから、120年以上も昔のことだ。その間、ずっと手をつながれることを待っている。なんだか不憫というか物悲しくも感じられる。
 ちょっと感傷的になって、そっとレンガに手を当てると、それは明治の手触り。アーチの下で手をたたけば明治の音が響く・・・いや、そこまで言うと、さすがに自分でも気恥ずかしい。それでも、当時の職人はどんないでたちだったのだろう、食事はどうしていたのか、そもそも通うのも大変なはずで、どこかに飯場があったのだろうか・・・いろいろと想像を巡らせるのであった。


120年つながるのを待つレンガshadowshadow


 ここでの最初の撮影は順光の上り列車。


順光の上り列車shadowshadow


 続いて反逆光で下り列車を撮影したが、橋に近づきすぎて、列車の下回りがほとんど隠れてしまった。実は橋のすぐ横にガードレールがあるので、それを避けようとしてアングルに無理が生じてしまったのである。


逆光の下り列車shadowshadow


 ずっと離れればガードレールも目立つまいと思って撮ってみたが、まだ作物の植えられていない畑が砂漠のように広がり殺風景な感じ。


遠目に見た内田三連橋shadowshadow


 最後はまた橋に近づいてお得意というか、もうほとんどお遊びと言えるシンメトリーな構図で締めたのであった。


得意のシンメトリーshadowshadow


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