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余録/鳥


 北条鉄道沿線で、空を飛んでいるのは、なにも飛行機だけじゃない。
 様々な鳥たちが思い思いに空を舞い、田畑や電線で羽を休めているのである。
 よく見かけるのは、サギやトビ、カラス、カモなど、ありふれた鳥たちだ。でも、何せ北条鉄道は1時間に上下1本ずつと、手持無沙汰の時間が長い。その合間に格好の被写体となってくれるのだ。
 その中から何枚か。最初は網引駅付近の田んぼで見かけたアオサギ。
 ちょうど春先に田んぼを起こしているところで、後ろにたむろしているのは、トビである。地中の虫を狙っているのだろうか、いつもは悠々と空を旋回するトビたちが、これだけ地上に集まると、ちょっと怖い。さすが猛禽類である。
 おそらくアオサギも同じ気持ちに違いない。「トビたち、早く飛び立ち!」なんてダジャレは言ってないだろうが、早く餌にありつきたいと指をくわえているように見えたのである。


アオサギとトビshadowshadow


 そのトビが、やはり網引駅付近の電柱に2羽とまっていた。
 「あんた、なにやってんの!」と叱られて、「すんましぇん・・・」と首を垂れる。
 アオサギに続いて、感情移入のしすぎだが、これまたそんなふうにしか見えない。
 そもそもつがいなのかもわからないのだが、その後「ふん」という感じで奥さんが飛び立ち、旦那はしょんぼりと長いこと電柱に留まっていた姿が身につまされる。


トビのつがい?shadowshadow


 感情移入は個人的な思いとしても、鳥たちを撮り鉄の合間ではなく、一緒に撮りたいというのは、みな同じだろう。
 しかし、なかなかそうは問屋が卸さない。線路の近くにいると、さっさと飛び去ってしまうし、離れて羽を休めているだけでは、なかなか絵にならないのだ。
 その一例がこれ。これまた網引駅付近で撮ったシラサギとフラワ2000−2である。車両全体を入れることにこだわらず、アップにして撮ればよかったかも知れない。


シラサギとフラワ2000shadowshadow


 列車が来た瞬間にタイミングよく鳥が飛び立つシーンにも出会ったことはある。
 播磨下里〜長の大歳神社付近で撮影していると、一斉にカラスが飛び立ったのだ。ただ、カラスには悪いが、個人的に嫌な思い出があることもあって、なんだか不気味なだけなのである。
 ということで、いずれも100選からは外したのであった。


飛び立つカラスshadowshadow


 最後の写真も、たまたま撮れたもの。
 撮り鉄の合間、サギが飛んでいくのを何気なくカメラで追っていると、太陽と重なったのだ。その瞬間、まずい、太陽にカメラを向けてしまったと焦ったのだが、これまた、たまたま雲がかかって、事なきを得たのである。
 しかし、雲のおかげで撮れた写真ではあるが、その雲がまた不気味でもある。
 う〜ん、感情移入に始まって不気味な写真で締めくくりとは。原稿を書き始めたとき、そんな展開は毛頭考えていなかったのだが、なんて脈略のない結果なのだろう。


太陽とサギshadowshadow


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