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一畑電車
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2008年夏

サンライズ出雲
 22時前の東京駅15番ホーム。285系『サンライズ出雲・瀬戸』が静かに入線してきた。
 東京ということは、例によって出張帰りなのだが、こんな時間まで仕事だったわけではない。一畑電車へ行くことを口実に、『サンライズ』に乗ってみたかっただけのこと。
 でも、新幹線より夜行列車で旅立つほうが、はるかに旅情をあっていいものだ。
 個室に入って、すれ違う新幹線などをコンパクトデジカメで適当に撮ってみる。デジカメならではの画像の流れ方がおもしろくて、何枚も撮ってしまったのであった。

新幹線の光跡

発車を待つ3000系
 翌朝、JR松江駅からバスで一畑電車の松江しんじ湖温泉駅へ。ホームでは元南海電鉄21000系の3000系が待ち受けていた。
 
 ところで、一畑電車を訪れたのには、もうひとつ大きな理由があった。
 それは、やはりデハニ50形である。
 その年、デハニ50形が、メンテナンス部品の調達が難しいことを理由に、引退すると報じられた。それを聞いて、ついにその日が来てしまったか、という感慨と、やはり最後にデハニ50形を見て、撮っておきたい、という衝動に駆られてのことであった。
 デハニ50形の引退は、ニュースでも取り上げられ、この年のビール電車『酔電』や、旅行会社主催のツアーも盛況だという。
 ツアーの案内を見ると、出雲大社に参拝して、デハニ50形で松江しんじ湖温泉まで乗車し、昼食をとる、という行程になっていた。昼間に走るという行程は、晩の『酔電』に比べて撮影には好都合だ。
 というわけで、この日、ツアーが催されることを出張の前に確認済なのはもちろんである。

 3000系で秋鹿町まで行き、少し長江寄りに戻ったあたりで陣を張る。それほど撮りやすい場所ではないが、正確なダイヤを調べきれなかったので、迷っているうちに、万一デハニ50形が来てしまったら目も当てられない。
 で、待つ。ひたすら待つ。その間、何本も列車が行き交う。

5000系 2100系
元京王電鉄5000系が一畑でも同じ5000系を名乗る。
外観だけでなく、車内もクロスシートになるなど、いい感じに手を加えられている。
同じ元京王電鉄5000系の2100系。
こちらはロングシートで、外観も原形を留めていて、一目で元京王5000系とわかる。

 が、待てど暮らせどデハニ50形はやってこない。
 でも、引き上げたとたんにやってきたら、それこそ目も当てられない。って、どこかで同じことをしたような・・・そう、福井鉄道で140形を4時間近く待ったときと同じ鉄、いや轍を踏んでしまったのだ。
 結局3時間近く粘った14時ごろ、いくらなんでも、こんな時間から昼食という行程はあるまいと、見切りをつける。きっとツアーが急にキャンセルになったのだろう。
 そうとなれば、もう何も焦ることはない。今度は秋鹿町から松江フォーゲルパーク側に向けて、列車を撮影しながらぶらぶら歩き、途中の秋鹿なぎさ公園のレストラン『フォーシーズンズ秋鹿』で遅い昼食。
 レストランからは宍道湖畔を走る一畑電車が望めるのがうれしい。そのレストランのデッキから、5000系をカメラに収める。

宍道湖半を走る5000系


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