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いすみ鉄道
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上総中野で小湊鐵道とのツーショット
 2008年1月のある日、房総半島縦断切符1,600円也を購入して小湊鐵道で五井から上総中野へやってきた。
 この日は生憎の雨。本当は沿線で撮影するつもりでレンタカーも借りていたのだが、「えっ?もう帰ってきたんですか」と驚く店員にさっさと車を返し、乗り鉄に変更したのである。
 写真は上総中野で小湊鐵道のキハ201と並んだいすみ鉄道のいすみ205。
 車内から撮影ポイントになりそうな場所をメモしながら、そのまま大原まで乗りとおす。

 翌2月、メモを元に事前に撮影行程も組んで、準備は万端。その甲斐あってか、当日は前回とは打って変わって空は晴れ渡り、絶好の撮影日和であった。
 顔を覚えていてくれたレンタカーの店員に「今度はすぐに返すことはないよ」と軽口を叩いて気分よく出発。
 行程表は朝一番の東総元から始まっている。近くに小学校があるので、もしかしたら列車通学の姿が見られるかも知れないとの読みを入れたのである。
 で、やってきた下り7D列車の乗降客はゼロ。完全に目論み外れであった。
 しばらくすると、小湊鐵道のバスがやってきて、駅の向かいのバス停で10人くらいの小学生が下車。
 う〜ん、バス通学だったか。なんだか隣の小湊鐵道に油揚げをさらわれたような気分・・・。

空っぽの下り7D   東総元の赤い駅舎
東総元駅での乗降客はゼロ。
車内も空っぽで、駅に停車しても扉を開閉することなく発車していった。
赤い駅舎が特徴の東総元駅。
左奥の踏切を、バス通学の小学生が渡っているのが小さく見える。

 気を取り直して次のポイントは大多喜〜上総中川間の切り通しにかかった橋である。
 そこで通りがかりのおばちゃんと少し立ち話。
 まずは「どちらから?」と挨拶代わりの言葉をおばちゃんからかけられる。
「神戸からなんです」と返すと、
「え〜っ神戸!?またなんでこんな田舎にわざわざ」と大層驚かれてしまった。
「ローカル線が好きで。いすみ鉄道もなんとか残りそうでよかったですね」
「2年間様子を見ることになったそうだけど、車の免許のない私らには本当に大事な鉄道なんだから。よろしく頼みますよ」
 確かにお年寄りには、かけがえのない足であることに間違いはなかろう。
 最後にぽつりとおばちゃんがつぶやく。
「社長、誰になるんだろうね」
 いすみ鉄道が社長を公募したことは、鉄ちゃんならいざ知らず、世間ではあまり知られていないだろうが、やはり地元では話題になったようだ。
 当時はまだ社長は決まっていなかったが、いすみ鉄道のホームページによると、地元千葉県の平和交通の吉田社長が就任したとのこと。
 話を撮影に戻して、その橋で撮った上り12D列車。
 うっそうとした切り通しの雰囲気を広角レンズで強調してみたが、光線の角度がぎりぎりで、もう少し遅かったら列車が陰に隠れてしまうところだった。

切り通しを行く



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