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小湊鐵道(後編)
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 翌土曜日は打って変わって快晴の撮影日和。
 ただ、所用で東京の家に帰らなくてはいけないので、撮影時間は限られる。
 まずは馬立駅。光風台寄りの踏切から、構内に咲き乱れる菜の花と上り列車を望遠レンズで。

馬立駅にて


警官に怪しまれながら
 次は里見へ。前日、高滝〜里見間で、桜がそこそこ咲いている場所を見つけていたのだ。
 里見駅に車を置いて、現地まで歩いてみる。その途中、築堤の菜の花の下から見上げる形で下り列車を撮ってみた。
 ふと、後ろにバイクが来た気配を感じ、振り返ってみると、なんと警官が疑わしそうな目でこちらを見ている。確かに線路端の築堤にへばりつき、見るからに怪しげな態勢である。すわ列車妨害か、と思われてもしかたない。
 警官は、振り向いた私の手のカメラを認めると、「なんだ鉄か」と言わんばかりに苦笑い(嘲笑?)を浮かべると、バイクを反転させて去っていった。
 う〜ん、昨日の高滝といい、挙動不審まがいの行為を見とがめられて、恥ずかしい限り。

 本命の桜のポイントに着いて、よくよく観察すると、五分咲きといったところで、まだ華やかとは言いがたい色合いだ。
 道路端に陣を取ると、さすが土曜日、鉄ちゃんが少しずつ集まってくる。
 列車が来るまで時間はたっぷりあるので、その中のひとりに声をかけてみる、
「いやあ、大久保や飯給の桜は全然咲いてないんで、ここに来ました。いつもはここの桜が一番遅いんですけどね」とのこと。桜の事情に詳しいので、毎年のように訪れているのだろう。
 通りがかりの近所のおじいさんともちょっと立ち話。
「菜の花がきれいですよね」と水を向けると、
「空き地を草ぼうぼうにしてしまうと罰金取られるんで、みんな菜の花の種を蒔くんですよ」
 との答えだった。
 帰ってから調べてみると、さすがに市原市の条例に罰則までは規定されていないようだが、荒地のままより菜の花畑のほうがずっといいのは言うまでもない。

唯一咲いていた桜


喜動房倶楽部
 里見駅に帰ってみると、何かイベントでもあるのだろうか、地元の人がたくさん集まって、慌しく動き回っている。
 見れば、駅舎の入口に「喜動房倶楽部ガンバッテマス」との張り紙が。ちょうどこの日、地域おこしの活動をしている喜動房(きどぼう)倶楽部が、駅ギャラリーを始めるそうだ。
 その準備の様子を数枚カメラに収めて、里見駅を後にしたのであった。

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