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長良川鉄道
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 ここからは場所を大きく変えて、ずっと美濃太田寄りの梅山〜湯の洞温泉口間へ。
 長良川へのこだわりはそろそろ捨てて、山あいのムードに包まれるこの区間を選んだのである。
 美濃市運動公園の駐車場に車を置いて、近くの踏切に立つと、上下方向とも意外にいい感じだ。
 天候も劇的に回復して、木漏れ日の中、郡上八幡行き下り第11列車がやってきた。

下り第11列車


 同じ踏切でまわれ右をして、上り第14列車。
 正面から陽を浴びて、のはずが、また直前に曇ってしまい、それは叶わず。

上り第14列車


柿を持ち去る猿
 この区間は沿線にたくさんの柿の木が植えられている。どこか柿の木を入れて撮れる場所はないか、歩いて探すことにする。
 柿の木畑と道路の間には、侵入防止用の電線が張り巡らされて、物々しい。
 畑の中では、1匹の白い犬が鎖につながれたまま声をからして吼えている。なんだかかわいそうだな、と思いながら歩みを進める。
 と、何か黒いものが、たて続けに行く手の道路を横切った。
 なんだ?と目を凝らすと、なんと猿であった。それぞれ柿を1つずつ手にしながら道路を横断し、森に消えていったのである。
 森の中を伺うと、確かに大勢の猿の気配がして、不気味だ。
 張り巡らされた電線、声をからした犬の謎がすべて氷解した。
 それにしても、猿が通ったあたりにもちゃんと電線はあるのだが、ちゃっかりすり抜けていて、猿知恵とは侮れない。農家の苦労がしのばれる。

 で、目的の柿の木を入れたアングルというのはなかなか難しく、土壇場までじたばたして、下り第13列車の撮影は、中途半端になってしまった。

下り第13列車


 もう時刻は16時過ぎ。そろそろ今日の撮影は終わりだな、と先ほどの踏切に戻ると、再び陽が射し、ぐっと締まったコントラストで深い色に染まっている。
 う〜ん、ここで列車が来てくれればなあ、と未練がましく1枚だけ写真を撮り、よし、来年また来ようと心に決めたのであった。

夕陽に照らされて

【2008年11月現地、2009年3月記】
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