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秋田内陸縦貫鉄道2017
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 宿をチェックアウトした後は、桜を求めて早々に大覚野峠を越えて南エリアへ入る。それでもなかなか桜に巡り会えず、結局、時間切れでいつもの羽後長戸呂〜松葉間へ。


いつもの羽後長戸呂〜松葉間の築堤shadowshadow


 次は上の写真右側にちらっと見える桜をメインにしようと線路の反対側に回ると、既に年輩の夫婦がセッティング中であった。狭い場所なのでそこに割り込むのは遠慮してさらに南下する。
 遠目に桜が見えたので近づいてみると、そこは西明寺駅であった。駅のすぐ横で少々撮りにくいのだが、ほかに誰もいないこともあって、ここで撮影することにする。
 この日は角館〜八津間に臨時快速の「カタクリ号」が4往復設定されている。西明寺に着いたのは10時過ぎで、定期列車と「カタクリ号」を合わせると、1時間ほどの間に上下4本の列車が効率的に撮れるのである。
 最初は角館行きの急行を順光で狙うが、桜の傍に用途不明の巨大なコンクリートブロックが並んでいるのが難点。さらに、単行と思っていた列車が2連で、見事に尻切れトンボ。前日撮影した急行が2連だったのだから、ちょっと考えれば気づくはずなのに、いつもどこか抜けてしまう。


西明寺駅の桜shadowshadow


 次はどう撮ろうか思案していると、いきなり車が数台やってきて、どやどやと年輩の男たちが降り立った。何事かと思ったら、みなカメラや三脚を手にしている。線路端の草まで抜き始めたので撮り鉄に間違いなさそうだ。ただ、メンバーの一人が駅へ行って「次は11時10分だ」と言っているのを聞いて、撮り鉄なのに時刻表も持っていないのかと怪訝に思う。
 放っておくわけにもいかず、「その前に臨時列車がありますよ」と声をかける。メンバーの素性がわからないので、それとなく尋ねると、「いやあ、適当に撮っているだけだから」とはぐらかされてしまった。
 そんな彼らと入り交じって残る上下3本の列車を撮影。下の写真はそのうちの1枚で、ホームの端から撮ったものであるが、実は足下では数人のメンバーが構えていたのである。肝心の桜はご覧のように花が落ちてちょっとさみしい。北エリアの桜には早すぎて、南は遅すぎたわけだが、こればかりはどうしようもない。
 

西明寺駅のホームからshadowshadow


 その後、少し羽後太田寄りに移動して、当初から狙っていたポイントへ。ここの桜も散りかけだ。
 写真にも写っている農道で極めてオーソドックスなアングルで構えていると、前方からやたらとでかい車がやってきた。ランドローバーだったか、おいおいそんな車でここを走るのは無茶だぞ、と道の脇によってやり過ごそうとすると、目の前で停まった。これまた何事と思ったら、若い夫婦が降り立ち、三脚やカメラを取り出している。あら撮り鉄かと「こんにちは」と声をかけるが、奥さんは挨拶もそこそこに車へ乗り込み、少し離れた道幅の広い場所に移動して待機。さては夫婦で角館へ観光に来たものの、撮り鉄の旦那さんが1本だけ撮らせてと奥さんにせがんだか。


羽後太田〜西明寺間の桜shadowshadow


 列車が走り去ると、早速、奥さんが迎えにきてそそくさと立ち去っていった。
 旦那さんが撮影していた場所は、上の写真の右側で、最初は私もそこを考えたのだが、後追いになってしまうので、次の角館行きで撮るつもりでいた。ところが、にわかに陽が陰り、今にも雨が降りださんばかりにあたりが暗くなる。まさかの天候急変に呆然としたまま日没を迎え、やむなく撤収する。
 この日は角館の「田町武家屋敷ホテル」に投宿。料金も張り、全館禁煙で喫煙者には肩身の狭いホテルなのであるが、ここの食事が気に入り、敢えて予約したのであった。
 期待に違わぬ料理に舌鼓を打ち、外を見ると星が見える。どうやら晴れてきたようだ。そうとあらば、桧木内川堤の夜桜見物に出かけてみよう。桜越しに三日月を見上げ、これなら明日は朝日が拝めそうだと気分良く散策する。


桜越しの三日月shadowshadow



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