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近江鉄道2020
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 2020年11月上旬に出かけた秋田内陸縦貫鉄道のころまでは、イケイケであったGo toトラベルキャンペーンも、新型コロナウイルス感染拡大が止まらず、下旬には雲行きが怪しくなってきていた。そんな状況で撮り鉄に出かけることに迷いはあったものの、今を逃すと事態はさらに深刻になるかも知れない。ここは行くしかないと、連休直前の会社の定時後に車を走らせ、最近の定宿である水口のニューミフクというホテルに泊ったのであった。
 翌朝の夜明け前、ホテルを出ると、いきなり本降りの雨。う〜ん、予報では天候は回復すると言っていたが、遅れているようだ。朝日は無理かなと半分あきらめながら、いつもの日野〜水口松尾の築堤へ。それでも日の出のころになると、雲が切れてなんとか朝焼けらしい色合いとなったのであった。
 

朝焼けshadowshadow


 その後は朝日が差したと思ったら雨が降ったりして、まだ天候は不安定だ。でも、そういうときに期待するのは虹である。果たして西の空に虹が出始めて「よっしゃ!」と、ひとりガッツポーズ。もちろん狙いは朝日から虹に変更して、築堤の西側から東側へいそいそと移動する。虹は弧を描くまでには至らなかったが、幸い列車が来るまで消えることはなく、首尾よく収めることができた。思い切って出かけてきた甲斐があったというものだ。


早朝の虹shadowshadow


 いつものとおり、ホテルに戻って朝食をとる。普段の朝食はビュッフェスタイル、いわゆるバイキングなのだが、さすがにコロナ禍とあって、定食形式となっている。好きなものを好きなだけ食べる楽しみはないが、この時期、そのほうがお互い安心と言えるだろう。
 ホテルをチェックアウトした後は、またもや朝日大塚付近の稲荷神社へ。今度こそと思いながら撮ってみたが、やはり列車が小さい。おまけにたまたま黄色一色の800系で、築堤の草の色と同化して、よけい目立たないのであった。


朝日大塚付近の稲荷神社shadowshadow


 懲りずに稲荷神社で粘る。どう撮ろうか神社の周囲をうろうろしていると、ご近所のおばさんが通りがかり、その視線は明らかに車のナンバーに向いている。いかん、県境を越える移動は控えるよう言われているのにけしからんと思われたか。
 「神戸から来られたんですか?」とおばさんから尋ねられる。やはりナンバーを見ていたようだ。
 「すみません、ややこしいときに来てしまって」
 「いえいえ、遠くからご苦労様です」
 どうやら責められたのではなく、わざわざ神戸から参詣に来たと思われたようだ。「実は撮り鉄なんです」などと言い訳するほうがかえって怪しいので、そのまま会釈だけ返したのであった。
 で、本来の目的である撮り鉄であるが、鳥居全体を入れる構図はあきらめて、稲荷神社ならではの狐をメインにする。右側の狐がくわえているのは玉に間違いないが、左側の狐はちょっとわかりにくい。細長いので、巻物かも知れない。
 そこへやってきたのは、塗色から一目でわかる2代目「あかね号」の900系だ。


稲荷神社の狐shadowshadow


 ここから一気に米原方面へ向かう。新幹線の車窓から、近江鉄道沿線にススキが広がっているのを見たことがあり、いつか撮りたいと思っていたのだ。
 あれこれ撮影場所を物色したのち、最後は比較的最近開業したフジテック前駅付近に落ち着く。線路沿いの小川の土手にススキの群生が・・・と思って近づいてみると、どうもススキには見えない、ネットで調べたところオギのようだ。
 そのオギをかき分けるように2代目「あかね号」がやってきた。もう少し列車を引き付けたいところだが、このあと、それこそオギに車体が半分隠れてしまったので、このタイミングしかなかったのである。
 

オギ原をかき分けてshadowshadow


 早くも夕暮れを迎え、最後は逆光側に回り、夕陽に照らされて光るオギの穂を狙ってみる。ただ、適当な撮影ポイントが見つけられないままタイムアップ。結局、フジテック前駅すぐ傍の踏切からの撮影でお茶を濁す。
 次にまた来る機会があれば、もっといい場所を探さなくては、と頭をかきながら、撮影を終えたのであった。
 

踏切からの夕陽shadowshadow


【2020年11月現地、2021年1月記】

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