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タイトル ドイツ編(後編1/2)


 ノイッシュヴァンシュタイン城から一旦ホテルに戻り、昼過ぎのフュッセン発アウクスブルグ行きのディーゼルカーに乗る。ロマンティック街道の一般的なルートとは逆をたどることになる。
 途中駅で、他からやって来る列車と併合するため10分くらい停車する。その待ち時間を利用して、新妻を車内に残し、とり損なっていた昼食を物色しに駅構内をうろつくが、何も売っていなかった。しかたなくホームに戻ると、ゲゲッ!列車がいない!!
 アウクスブルク方に目を向けると、はるかかなたディーゼルカーが走り去っていくのが見える。しまった、時刻表を見間違えたか。しかし、ここで慌てないのが鉄ちゃん。アウクスブルグまで鈍行で約40分、タクシーで追いかけられない距離じゃない、と瞬時に判断し、早速行動にうつそうとすると、併合するはずの列車が到着した。おかしいな、と様子を見ていると、走り去ったディーゼルカーが戻ってくるではないか。何事もなかったように連結するのを見届け、車内で新妻と無事再会。
 一体何で一旦発車してしまったのか、まさか併合を忘れたわけでもなかろうに、今でも不思議である。

Kaufbeuren駅にて
何事もなかったように併合した列車。
このディーゼルカーは新型なのだろうか、直線的なデザインは今風なのだが、ちょっと味気ないスタイルだ。
(Kaufbeuren駅にて)


 アウクスブルグからドナウベルトまで列車、そこからタクシーでディンケルスビュールへ。
 ロマンティック街道沿いの町の中でも、ディンケルスビュールは戦災にも遭わず、中世そのままの姿を残している。(ガイドブックの受け売り)
 この日はここディンケルスビュールのホテル、15世紀に建てられた『ドイッチェスハウス』に泊まる。

 翌日、ディンケルスビュールの町を散策したのち、ロマンティック街道最大の観光地、ローテンブルグに向かう。本当は鉄道で行きたかったのだが、旅行直前に廃止されてしまったのが残念。しかたなくタクシーに乗ることにする。流しのタクシーなどいないので、電話で呼ぶのであるが、語学力のない人間にとって電話で用件を伝えるのは辛い。電話に出た相手にただ一言、
「I want Taxi」(^^;)
 これでもちゃんとベンツのタクシーが来てくれた。
「ローテンブルグに行くんだったら、アウトバーンを使ってもいいか?」と運転手が英語で尋ねる。おお、アウトバーンを体験するのも悪くないと、二つ返事でOK。
 アウトバーンは速度制限がないと聞いていたとおり、みなものすごいスピードで走っている。私たちの乗ったタクシーも160Km/hで走っているのだが、どんどん抜かれる。運転手はドイツ人にしては(偏見?)愛想がよく、英語も達者で、左右の車窓を指差し「ほら、あの丘の上に見えるのが、何とかで・・・」とあちこち観光案内をしてくれるのだが、騒音と語学力もあいまって聞き取れない。それより160キロだよ、案内はいいから前向いて運転してくれェーというのが本音であった。
 ローテンブルグで下車時、せっかく観光案内もしてくれたんだからとチップをはずむと、両手を大きく広げて大袈裟に喜び、ぶんぶんと握手。本当に愛想のいい運転手だった。

町並み
ディンケルスビュールの町並み。
城壁の上からの情景は、まさに中世そのものだった。
ローテンブルグの市庁舎。
写真ではわかりにくいが、酒飲み市長の仕掛時計が有名。

←写真は2枚あります。画面に触れてください。



 新妻はローテンブルグを気に入ったようで、土産物屋をそぞろ歩く。
 私自身はディンケルスビュールも落ち着いたいい町だと思っていたのだが、新妻に言わせると「なんか暗くて」ということだった。
 ローテンブルグからはかろうじて残っているローカル線の鈍行客車に乗って、ロマンティック街道の終点(始点)、ヴュルツブルグへ、古城ホテルと称するシュタインブルグ城ホテルに泊まる。
 このホテルは小高い丘の上にあり、バルコニーからの夜景はすばらしいものであった。

ローテンブルグ駅にて
夕暮れのローテンブルグ駅で発車を待つ鈍行客車列車。
DD13のような凸型ディーゼル機関車が牽引する。




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