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2. 鉄道技術研究所引込線

雪の中

 立飛線と同じ中央線、立川よりひとつ東京寄りの国立から駅北側の鉄道技術研究所(今の鉄道総研)まで数百m、文字どおり引込線である。
寒い車掌車

 こちらも運転は不定期で、午前11時過ぎに立川方から本線上をDD13が貨車などをひいてきて、一旦国立駅の退避線に入り、推進運転で研究所へ行き、中で入替え後、また推進運転で帰ってきて、立川へ戻るというパターンであった。 当時の中央線のダイヤグラムを見ると、立川〜国立間に9364レ、9365レというスジが設定されており、国立駅のホーム詰所には、当日の臨時列車の運転状況が黒板に記されていたので、それを覗き込んでは、あ、今日は来るんだなと確認したりしていた。
 引込線自体は国立駅への近道ということもあり、やはり運転時にはDD13、じゃなくて推進運転なので最後尾の車掌車などに見張り番が数名添乗していた。
9365列車
本線上を9365列車として立川へ戻る。
霞んで見えないが、左後方が国立駅。

 例によって、ある日新聞に『ガスタービン車鉄道技術研究所へ』という記事を見つけ、見に行くことにした。当時ディーゼルエンジンに代わる動力としてガスタービンエンジンを載せた試作車(確かキハ391)を国鉄がつくり、山陰本線かどこかでテストしていたものだ。ただ、新聞にはいつ運ばれるのか書いていなかったので無駄とは思いながらも国立駅に電話してみる。
 案の定、答えは「何でそんなことを知っているんだ。答えられない」というもので、やむなく『張り込み』をすることにした。
 何日目か、新聞記事どおりDD13に引かれてキハ391がやってきた。まわりには鉄ちゃんらしき姿は見当たらない。よし、写真を鉄道雑誌に投稿しようとカメラを構える。題名は『キハ391回送さる』だ。
 撮影後、早速現像すると、ガーン・・・・・
 なんと2重撮りをしてしまって失敗。当時、カラーとモノクロのフィルムを使い分け、途中で巻き戻してはパトローネ(フィルムケース)に**枚までとメモしておいたのだが、うっかり忘れていたらしい。(本当はカメラを2台使い分けるべきなのだろうが、金がなかった)その前に撮っていた写真を道連れに、『キハ391回送さる』の記事は幻となってしまった。

 そして現在、線路は残っているようだが、果たして使われているのかどうか・・・・・
 今度、実家に帰る機会があったら、久しぶりに歩いてみようかと思っている。
(写真撮影は1977年1月)

【1999年2月記】


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