もはや恒例行事と言えるが、今年(2020年)も1月の連休にえちぜん鉄道を訪ねた。
それも滞在したのは早朝の数時間だけ。その理由は後で記すとして、週末の会社の定時後、サンダーバードで福井へ向かい、駅前のホテルに泊まるところまでは昨年と同じだ。ただ、翌早朝は、レンタカーで出かけた昨年と違って、勝山行きの始発電車に乗車する。昨年の経験で、始発電車でも日の出に間に合うとわかったからである。
で、向かったのは、これまた恒例の轟(どめき)だ。場所は同じでも昨年とは一味違うアングルで撮るぞ、と意気込んで臨んだものの、結局、同じような結果となってしまったので、写真は省略しよう。
その後は比島へ行き、ここからお気に入りの区間である終点の勝山まで、歩きながら撮影する。このあたりは湿度が高いのか、沿線にころがる石というか岩が苔むしている。早速、苔むした岩を手前に置いて撮ってみたが、いやあ、ただ雑草が生えているようにしか見えない・・・。
少し勝山よりへ歩くと、直線の線路と並行する道路上に陽がさして、昨年とは場所は違うが今度こそ光芒が撮れそうだ。一方で既に道路は半分日陰になっている。もうこのタイミングしかないと撮ったのが下の写真だ。光芒だけでなくゴーストも盛大に出てしまったが、良しとしよう。実際には併用軌道ではないものの、それらしい雰囲気も出せたように思う。
さらに進むと、崖の擁壁が、すっぽりと苔に覆われている。これなら先ほどの岩と違って、はっきり苔を捉えられそうだ。最後はここで上下列車を撮影することにする。まずやってきた下り列車は京福時代からの生え抜きのMC5001形だ。勝山からはこの列車の折り返しに乗る予定で、そうか確かこの車両だけロングシートだったはずと、ちょっと複雑な気分。
上り列車は勝山で下り列車と入れ違いに発車するので、すぐにやってくる。完全な逆光で列車は真っ暗だが、この角度のほうが苔らしいしっとりした質感が出ている。
勝山に出て、停車中の上り福井行きMC5001形に乗車する。座席はやはりロングシートであった。
こうして福井に戻ったのは、まだ昼前。例年は夕方まで滞在し、北陸新幹線で東京へ直行するのであるが、この日は佐久平で途中下車して、しなの鉄道に寄ってみることにしたのである。そのときのことは、また別の機会に。
【2020年1月現地、同年4月記】