岳南富士岡駅では、留置車両のED40だけでなく、駅舎から駅名票やベンチ、看板に至るまでマスキングが施されている。
後ろの看板は4種類あったので、mt乗車券を大人買いできなった代わりに、ひとつずつ写真に残す。
10時過ぎに駅前に設けられたマスキングテープのショップ会場へ。平日だし、失礼ながらこんなところまでマスキングテープを買いに来る人は少ないだろうから、おそらく自分が最初の客だと思っていた。ところがどっこい、会場には既に大勢のお客さんが入っている。これには驚いた。さっきまで駅前は閑散としていたのに、いつの間にこんなにお客さんが来たのだろう。
早速会場に入って、ひととおりマスキングテープを見て回り、今回のイベント限定のテープ(タイトルの横に張り付けたのがそのひとつ)を手に取り、レジへ。支払いの際、疑問に思っていたことを尋ねてみる。
「倉敷の会社がなぜ岳南電車とコラボしたんでしょう。もしかしてmtとmt.Fujiをひっかけたとか?」
「いえ、うちのデザイナーが岳南電車を気に入って、ぜひコラボしたいということになったんですよ」
「へえ、そうなんですか」
と答えたものの、マスキングテープにデザイナーという組み合わせに一瞬、違和感を覚える。でも、会場にずらっと並べられたテープだけでも、数えきれないほどの種類がある。デザイナーが必要なのは当たり前で、違和感なんて言っているようでは、まだまだど素人である。
販売会場を出て、駅のホームに戻る。見上げれば空の雲も切れて富士山が再び姿を現している。その富士山をED501とED29越しに撮る。
やってきた吉原行の電車は、また折よくmtトレインであった。車内には、私よりはるかに大きなmtの紙袋を持った女性客がちらほら。いったいどれだけ買ったのだろう。もちろんみなmt乗車券、それもやっぱり3枚持っている人もいる。
実はイベントにこれだけ手間暇かけてペイするのだろうかと余計な心配をしていたのだが、そんな懸念を完全に打ち砕く盛況ぶりである。おかげで普段の撮り鉄では得られない、とても印象に残る訪問となったのであった。
※最後にちょっとおまけ。
岳南富士岡駅近くの踏切が昔ながらの電鈴式だったので、コンデジの動画機能で撮ってみた。富士山をバックに鈴の音のBGMで通過するのは、もちろんmtトレイン。画像をクリックすれば10秒程度に編集した映像が見られるはずなので、よろしかったらどうぞ。列車を追って思わずカメラをちょっと振ってしまったのはご愛嬌ということで。
【2016年10月現地、同月記】