中根の後は、キハ11やケハ601を見るため、キハ223に乗って那珂湊に向かう。
キハ223は車内の床も板張りのままで、まるで北海道や東北旅行をしているような気分に浸ることができる。
いや、もはや北海道や東北にも寒冷地仕様のキハ22は津軽鉄道以外に残っていないはずで、それを茨城の地で味わえるというのも不思議な感じだ。
那珂湊で、まずはキハ11の様子を駅員に尋ねてみる。当時、キハ11が売りに出されていて、その動向が気になっていたのだ。
まだ買い手がいないと残念そうに答えてくれた駅員とは裏腹に、ほっと安堵したのであった。
(その後、JR東日本が計画中の道博物館に収められることが決まり、安住の地を得て何よりである)
車庫の方にお願いして、そのキハ11を見せてもらう。
きれいに国鉄色に塗られていることもあって、古さを感じさせない。その姿はなつかしいというよりも、あれだけ当たり前のように走っていたキハ10系が、もうこの1両しかいないということに感慨深いものがあった。
どこの鉄道に行っても同じなのだが、車庫にいると時間を忘れてしまう。
ただ、この日は冒頭に書いたように仕事が控えていたので、やむなく10時50分発の勝田行きで引き返す。正味1時間弱の滞在であるがしかたない。
最後に那珂湊の車庫で撮ったその他の車両の写真をご覧に入れて、茨城交通の項を締めくくることとしよう。
【2003年10月現地、2005年2月記】