大井川鐡道井川線<乗車編>5/6
長島ダム駅では乗客がそこそこ下車して車内も空いた。
アプト式機関車の解結シーンを撮ろうと思ったが、車内にいるようにとの放送に従い、おとなしく座席に腰掛けていた。
駅前に今朝置いてきたばかりのレンタカーが見える。もちろん、このまま列車に乗り続けるのだが、ちょっと変な気分である。
長島ダムを発車し、トンネルを抜けると、晩秋の陽を浴びて車内は穏やかな光に包まれる。眼下にはエメラルドグリーンの接岨湖(大井川)が広がり、ダムでせき止められたのだから人工的な色と言えるが、まあよしとしよう。
うららかな陽を浴びて、はしゃぐ子どもたち。
平田(ひらんだ)を過ぎて、次のトンネルを抜けると、ちょっと気恥ずかしい名称のレインボーブリッジ(でも命名はあのお台場にかかる橋より先だという)を渡り、昨日対岸から撮影した奥大井湖上駅に到着する。
レインボーブリッジに気を取られていると見逃してしまうが、このあたりは大井川沿いの旧線跡が見渡せる場所でもある。
で、ちょっとここで途中下車。今日は乗り鉄だと言いながら、駅のすぐ裏の山の上から撮り鉄をしようと考えたのであった。
ところが、下車して少し歩いてみたものの、山道からは木々が邪魔して橋が見通せない。駅の傍にあるコテージの上に展望台があるらしいが、肝心のコテージが閉まっていて入れない。
結局、レインボーブリッジでのまともな列車撮影は、着いた列車をホームから後追いで撮ったもの(右下)くらいであった。
紅い列車が赤いレインボーブリッジを渡る。 対岸に残る旧線跡のガーター橋
奥大井湖上からは一気に終点井川を目指す。
接岨峡温泉からはさらに山深くなり、尾盛駅に到着。この駅は、周辺に人家どころか道さえもないという秘境の駅として有名だ。
というのは聞いた話なので、本当なのか降りて確かめたいという衝動にかられる。
駅員のかわりにたぬきの置物が出迎える尾盛駅。
(歩いているのは駅員ではなく列車の車掌)