尾盛駅と次の閑蔵駅の間で、昨日写真を撮った関の沢鉄橋を渡る。列車は最徐行で渡り、乗客は車内を左に右に行き来しながら100メートルの高さの眺望を楽しんでいる。
奥に進むにつれ、さらに眺望は変化に富んできて、車掌の車窓案内のアナウンスも忙しくなってくる。
こうして到着した井川駅、以前来たときは、季節外れだったこともあって閑散としたイメージがあったのだが、今日は違う。駅前は観光客でごった返していた。
ちょうど昼時になったので食堂をのぞいてみると、案の定満席。昼食はあきらめて、それこそ味気ないが次の列車で折り返すことにする。
井川から戻る列車の乗車率は6〜7割といったところであったが、途中、接岨峡温泉で思いもよらず大勢のお客が乗り込み、満員になってしまった。
口々に「どっちの景色がいいのだろう」「ベンチが左向きだからきっと左側ね」と言い合っている。
確かに左側で正解なのだが、千頭に帰る列車なのに、来るときはどうしたのだろう、と怪訝に思う。
会話を聞いていると、どうやら観光バスで先に接岨峡温泉に来て乗り込んだようで、おそらく温泉とトロッコ列車の旅というようなツアー客だったのであろう。
レンタカーを置いた長島ダム駅で満員の列車から下車。下の写真は駅前で去り行く列車を撮ったもの。左下に置きっぱなしにしたレンタカーのプリウスが写っている。
ここから乗ってきた列車をレンタカーで追いかけたりしながら千頭に戻り、往路と全く同じ道を通って静岡に帰ったのであった。
【2005年11月現地、2006年8月記】