次に向かったのは、前回、雨宿りしながら撮った鬼越えふれあい広場。今度は、さんさんと陽を浴びて走る列車が撮れて気持ちがいい。そのかわり、紅葉の美しかった山は、ほとんど葉が落ちてしまい、ちょっとさみしくなってしまった。機会があれば、紅葉の時期にまた来たいものだ。
広場からは、上流へ国道を2キロほど走り、小道に折れたところの橋へ向かう。好天に恵まれて、深い青に染まった川の色が印象的だ。
橋の上から遡上する鮭がいないか探してみるが、さすがにここまでは来れないのだろうか、その姿は見つけられなかった。
岩手開発鉄道は、盛からずっと国道に沿って走り、岩手石橋の手前でそれて、山の中腹を走る感じになる。そこで何とか撮れないかと思っていたのだが、適当な場所が見つけられないまま、終点の岩手石橋駅付近に着いてしまう。
ちょうど昼時であったが、光線的は少々厳しく、もともと黒い貨車が、築堤の陰と一緒になって判別できないほど真っ黒になってしまった。
ホッパーの後ろには、うずたかく石灰石が積まれていて、近づいてみると、呑み込まれてしまいそうな迫力である。
右の写真は、ホッパーの傍らにちょこんと建っている岩手石橋駅の駅舎。ちょっと民家風のつくりなのが好ましい。
ちなみに他の長安寺駅、日頃市駅も、昔ながらの駅舎が残っている。
岩手石橋の後、そのまま山の奥を抜けて上有住へ向かったのは、
軌道めぐりに書いたとおり。
そして翌朝、再び盛川の採卵場付近に行ってみる。今朝も鮭が遡上しているが、心なしか、前日より数が少なく、元気もないようだ。
川沿いを少し上流へ歩いてみると、川底に鮭の死骸が沈んでいた。ああ、やはりほとんど力は残っていなかったのか。
心の中で、そっと手を合わせるのであった。
【2009年11・12月現地、2010年4月記】