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松浦鉄道
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 最後のページは、桜以外の写真をいくつか並べてみよう。
 まずは早朝、伊万里〜東松代の有田川橋梁の上流側から、朝日を受けて輝く列車を撮影したものだ。有田川橋梁は、上流側に手すりがあるので足まわりが隠れてしまうが、朝日の輝きは捨て難い。それこそ北条鉄道など、どこへ行っても同じような写真ばかり撮り続けているが、やめられないのだ。
 

有田川橋梁の夜明shadowshadow


 ちなみに手すりのない下流側から撮ったらこんな感じで、足まわりはすっきりする。前の写真との時間差は40分程度であるが、朝焼けの赤味はほとんどなくなってしまった。
 

有田川橋梁の下流側からshadowshadow


 欲を出して海を入れた構図でも撮りたいと前浜駅へ向かう。国道204号線を走っていると、鷹島口〜前浜の田尻跨線橋で松浦鉄道をオーバークロスする。あっ、ここがネットでも紹介されていた海の見渡せる場所だと車を停める。立ち位置が限られるだけに、ここからの写真はどれも同じようになってしまうが、一応カメラに収めておこう。
 

田尻跨線橋から海を臨むshadowshadow


 前浜駅の近くに「つきの島公園」という大きな公園があり、駐車場も広いので、そこへ車を停める。公園でくつろぐ人や釣り人を合わせても数組なのに車は20台くらい停まっている。みんな何のために来ているの?などと言える立場ではないが・・・。
 松浦鉄道がどこを走っているのか、わかりにくいので望遠レンズで確認してみると、海へこぶのように突き出た小山の間を抜けてくることがわかり、その瞬間を狙ってみた。望遠ズームの300mm相当で撮ったのだが、海を入れることにこだわりすぎて列車が小さい。もっと引きつけたほうがよかったかも知れない。トリミングという手もあるが、とりあえずそのまま掲載した。
 

小山の間から顔を出した列車shadowshadow


 同じ列車が海岸沿いの桜の横を通るシーンを、カメラを右に振って一粒で二度おいしいとばかり撮影する。
 

海岸沿いの桜shadowshadow


 これで予定はすべて終了、伊万里へ引き返す。撮り鉄で世話になった松浦鉄道への支払いが、有田〜伊万里の往復乗車券代920円だけでは申し訳ないので、松浦鉄道の伊万里駅に寄ってグッズをいくつか購入。ついでに翌日の「みどり」の特急券を発券しようとJR伊万里駅へ向かう。かつてつながっていた線路は道路で完全に分断され、JR伊万里駅へは一旦エレベーターで2階に上がり、デッキを歩いて道路を越えなければならない。ちょっと複雑な心境でエレベーターに乗り込むと、ちょうど到着した松浦鉄道の列車から下車した旅行者らしき中年男性と一緒になった。見るからに人の良さがあふれ、「松浦鉄道は本当に景色がよかったですね」と笑顔で話しかけられる。私も一緒に乗ってきたと誤解したのは明らかだが、もちろん「いや、乗ってないから」なんて野暮なことは言わない。「そうですよね。だから私は沿線で写真を撮ってたんですよ」と答える。
 確かに松浦鉄道の沿線は予想以上に桜が多く、当初は佐世保まで足を延ばす予定を変更して、有田から前浜までと全線の1/3程度に留まってしまった。でもその分、濃密な松浦鉄道の撮り鉄を謳歌したのである。いや桜だけに「桜花」した、かな。

【2023年3月現地、同年4月記】

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