神戸電鉄沿線の神戸市北区に住んでいるのだから、三木鉄道は目と鼻の先と言ってもいい。でも、なかなか腰が上がらず、『ローカル私鉄の不思議』の取材で訪れたのが、国鉄時代を通しても初めてであった。
その三木鉄道に乗るため、神戸電鉄鈴蘭台駅から粟生線で三木を目指す。
ついでに言うと、神戸電鉄粟生線も途中までしか乗ったことがなく、今回はご近所でありながら、初めてづくしである。
三木鉄道の三木駅は、神戸電鉄三木駅とは少し離れていて、歩いて数分の距離にある。
やがて見えてきた駅舎は国鉄時代のままの姿で、初めてなのになつかしい。列車が来るまで待合のベンチに腰掛けていると、ほっと心が安らぐ。
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どこかなつかしい三木駅
のどかな三木駅の待合。
←写真は2枚あります。画面に触れてみてください。
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三木鉄道は、1985(昭和60)年に国鉄から転換し、2軸のレールバス、ミキ180形2両でスタートしたが、車両はここ数年ですべて新型のミキ300形3両に更新された。
古いレールバスがどこかに残っていないか、駅員に尋ねてみると、
「全部スクラップにしてしまいましたね」とのこと。
数あるレールバスの中でも、三木鉄道のレールバスは最もバスらしい車体と聞いていたので、一目見てみたいと思ったのだが、それは果たせず。
途中、走行写真を撮るため、予め地図で目星をつけておいた石野駅で下車してみる。この駅もいかにも国鉄ローカル線らしい古い駅舎のまま。
ここから西這田に少し戻ったあたりで、ミキ300形を撮る。それが『ローカル私鉄なるほど雑学』192ページの写真だ。
次の列車で終点の厄神まで行く。ここはJR加古川線との乗換駅で、三木駅とは違って、すぐ隣なので同じホームで(下りは跨線橋を渡って)乗り換えられる。
何とも駆け足であるが、そのまま加古川線に乗り換え、粟生に向かう。そう、次の目的地は北条鉄道である。
加古川線の列車は予想以上に混んでいた。おりしも沿線では2004年12月の電化に向けて、工事が真っ盛り。なるほどこれだけ乗車率が高ければ電化はもっともだと、窓の外を流れ去る真新しい架線柱を見ながら思うのであった。
【2003年11月現地、2004年11月記】