IE4.0あるいはNN4.0以上でご覧の方で、  
このページに入られた方はこちらへどうぞ。

水島臨海鉄道
2/4
地図を表示

キハ20と廃車のDE10
 車庫では、国鉄色に塗り替えられたキハ20の2両(キハ203+205)がひときわ目立つ。それ以外にも水島オリジナル色のキハ20もいて、こんなに残っているとは思ってもいなかった。
 そのほかにも廃車となった元キハ10形やDE10形1086号機、DD504など留置されている。
 これらの車両を車庫に入れてもらって近くで見たいと思ったが、もう夕方だし、これから運転本数が増える忙しいときに邪魔だろうと思い直し、遠慮することにした。
キハ356   キハ20
廃車となった元国鉄キハ10形のキハ356。
1976年4月に初めて水島臨海鉄道を訪れた際、ちょうど最初のキハ10(351)が届いたところだった。
が、結局、乗る機会のないまま全車廃車となってしまった。
最初はこれも水島オリジナル色かなと思ったら、どうやら元JR四国のキハ20のようだ。
写真を拡大して確認すると、どうにか番号は513と読み取れる。部品取り用に購入したのだろうか。


DE701牽引のコンテナ列車
 三菱自工前駅に戻って時刻表を確認すると、17時台は、01分、24分、44分で、このうち01分と44分がツーマンだ。最後の44分がもしかしたらキハ20では、と読みを入れ、とにかく待ってみることにする。
 最初の01分はMRT2両編成で、お客は女性が3名だけ。まだ退社時間には早すぎるようだ。
 17時になれば、どこかの工場で終業のサイレンが鳴るはずだから、それを合図にカメラを構えようと思い、ぶらぶらしていたら、おもむろに列車が発車してしまった。最近はサイレンなんて流行らないのかも知れない。
 そのまま次の列車を待っていると、また踏切が鳴り出す。列車が来るにはまだ早い、これは貨物だとカメラを構えると、案の定、DE701がコンテナ列車を牽引して戻ってきた。
 次の24分発でも乗客はあまり増えず、7〜8名程度であった。やはり自動車通勤が多いようで、さっきまで苦もなく渡れた道路がいつのまにか自家用車であふれている。

三菱自工前に入線するキハ20
 さて、次はいよいよ44分発の列車である。ホームに立って待つ間が長い。気になって何度も車庫のほうを見ていると、やっと何か車両が動き出した。近づけば間違いない、キハ20だ。ドルンドルンとなつかしいDMH17のエンジン音とともに入線する。
 お客はやっぱり7〜8名しかいないが、もうそんなことはどうでもいい、キハ20に乗れるというだけで気分が高揚してくる。
 しかし、入線しても扉が開かない。前の方で乗客が手でドアを開けるのが見えて、あっ手動か、と改めてドアに目をやれば、「手であけてください」の表記。
 2両編成の一番後ろのドアを開けて入ると、涼しい。意外にも冷房化されていたのだ。そして、なつかしい匂い。なぜ古い車両はこの匂いがするのだろう。少しへたったモケットのシートに腰をかけると、遠い昔の旅を思い出させてくれる。

手であけてください ドアを開ける車掌
上)「手であけてください」
  ドアのガラスに内側から貼られたシール

右)車掌さんにお願いして、手動でドアを開けるところを撮らせてもらった。
  「ドアを手で開けるのが絵になるの?」と苦笑いされてしまったが・・・。


 最初は少なかった乗客も、駅に着くごとに増えて、福井駅で乗ってきた女子高生4人が、ボックスに空きがないのを見て「ばらばらに座る?」とか言っている。ちょっとかわいそうなので、よそ者は席を譲る。相変わらず女の子には甘い。
「譲ってくれるなんて親切よね」とボックス席に座った女子高生の会話が耳に入る。
 うんうんと、相好を崩して聞き耳を立てていると、もうひとりが「女子高生だからでしょ」と図星、いや身も蓋もない答えでがっくり。う〜ん、せっかく席を譲ったのにそこまで冷や水を浴びせなくても・・・。

【2003年9月現地、2008年5月記】

戻る 次へ
ローカル私鉄紀行目次へ
表紙へ