翌朝はいつものとおり、仕事の関係であまり時間が取れない。
まだ真っ暗な中、ホテルを出てまた球場前から6時29分発の下り第3列車に乗車。前日、暗がりの車窓からでも、なんとなく視界が広がったように見えた浦田駅付近に向かう。
下車するとさすがに寒い。暖を取るために「あたたかい」缶コーヒーを買ってポケットにしのばせる。
撮影ポイントに向かう道路も雪が残っていて、おまけに凍結してつるつるである。
そこを例によって出張スタイルの革靴にスーツ(さすがにジャンパーを羽織っているが)で歩いているのだから、車が近づくだけでも緊張する。車のスリップではなく、自分がスリップして車に突っ込んでしまいそうで怖かったのである。
6時45分ごろには撮影ポイントも決めてカメラを準備するが、空はやっと少し明るくなったかな、という程度。露出を見るとISO800でシャッター1/5、これは厳しい。
やきもきしながら待っていると、7時ごろには何とか1/60のシャッターが切れるまでになり、一応キハ20を撮影できた。
欲を言えば、早朝かつ雪景色というモノトーンの色彩の中、白を基調とした水島色ではなく、国鉄色が来てくれたら映えたのであるが。
浦田から一駅手前の福井駅まで歩く。
国道を歩くのは嫌なので裏道に入ると、やはり雪が残ったままだ。その中を自転車通学の学生たちが恐る恐る自転車を走らせている。
福井駅に行ったのは、やはり前日、暗がりの中に果樹園らしきものが見えたからであったが、着いてみると予想以上に狭い。とはいえもう移動する時間もないので、ここで倉敷市から折り返してきたキハ20を含め、3本の列車を撮影。
どれも我ながら、う〜んと首をひねらざるを得ない出来であるが、しかたない。
次は下りのコンテナ列車だ。
しかし、長大編成を撮れそうな場所が見当たらない。
結局、横着して福井駅のホームからの撮影となってしまった。
そのホームに積もった雪に、3人の手形が残っている。
「わぁ雪!雪!」と女子高生たち(と勝手に決めつけているが)がキャーキャー言いながら手形をつけている姿が眼に浮かぶようだ。
そのまま福井駅で上り第14列車のキハ20に乗車して、再び球場前に戻る。
ホテルに戻る道すがら、倉敷市から折り返してきたキハ20を、昨日子供たちが雪合戦に興じていた場所の近くで撮る。
まだ山陽本線と並走している場所なので、架線柱や野球場のネットがうるさいが、沿線で列車を見通せるポイントは、このあたりに限られるかも知れない。
何はともあれ、これでキハ20の現状確認は完了。ホテルに戻って仕事モードに切り替え、倉敷駅へ急いだのであった。
【2008年1月現地、同年5月記】