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秋田内陸縦貫鉄道2021
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 2021年秋もやっぱり秋田内陸縦貫鉄道にやってきた。もはや義務感かと言われそうだが、なぜか秋になると居ても立っても居られなくなるのだ。
 もちろん、コロナ禍が完全に収束したわけではない。それでも2020年と同様、秋になって全国的に感染が下火となり、緊急事態やまん延防止の措置も解除され、このタイミングしかないと思い切って出かけることにしたのであった。2021年は前年以上に自粛が続き、何を隠そうこれがその年初めての撮り鉄である。
 秋田内陸縦貫鉄道へは、ほぼ10年間通い続けたわけだが、そろそろ潮時かなと感じ始めている。かっこつければ集大成という思いも込めて、11月7日の日曜夕方から11日木曜昼までの4泊5日と、これまで以上の長丁場で臨んだのであった。
 しかし、そんな意気込みに水を差すのは天候だ。週間天気予報によると、晴れるのは月曜だけで、その後は木曜日まで雨マークが並んでいる。外れることを期待したが、結果から言えば天気予報どおり。それどころか仮に何日か延長したとしても、金曜、土曜も雨が続いたようだ。おまけにここ数年、紅葉が遅くなる傾向なので、日程を少し後ろ倒しにしたのだが、これも裏目に出てしまった。自然相手だからやむを得ないとはいえ、なかなか厳しい仕打ちである。
 
 初日の夕方、レンタカーを借りたのが16時半ごろ。これなら1本だけ撮れそうだといつもの角館〜羽後太田の築堤へ向かう。位置決めをする時間的な余裕がなく、細い三日月をアクセントにしたものの、バックには高圧電線も映り込んでいる。まあ初っ端だし、これでよしとしよう。


初日の夕暮れshadowshadow


 翌、月曜日、晴れるのはこの日だけだと朝から自ずと気合が入る。例年、早朝の撮影は角館〜羽後太田間と決めていたが、今回は前年2020年のロケハンで見つけた羽後太田〜西明寺間のススキの原へ向かう。ススキの背が高くて線路が見通しにくかった経験から、今回は踏み台まで購入して持参している。こんなことをするのは撮り鉄歴でも初めてで、それくらい力が入っていたのである。
 待望の朝日が昇り、ススキが黄金色に輝きだす。それは目論見どおりであったが、掲載した写真は当初考えていた構図とは異なっている。本当はもう少し列車を左寄りに配置するつもりが、背景に溶け込んで真っ黒になってしまい、とっさにカメラを右へ振ったのだ。おかげで、ど真ん中に朝日という文字どおり日の丸構図となってしまったが、これもまたしかたない。


ススキの原shadowshadow


 同じ場所で、手前にススキの穂を大きく入れて横位置から狙うが、単行のつもりが予想外の2両編成で、慌ててズームを広角側に広げて撮影。そのためススキの下部まで写ってしまい雑然とした感じだ。つい編成全体を入れることにこだわってしまうが、思い切って先頭車両に絞ったほうがよかったかも。その先頭車両は初めて見る塗色だが、AN−2000形を改造した「秋田縄文号」で、2021年2月から運用が開始されたそうだ。


秋田縄文号shadowshadow


 その後は、毎年、同じ構図で撮り続けて何がおもしろいのと揶揄されそうだが、お気に入りの羽後長戸呂〜松葉の築堤へ。
 少々残念だったのは、いつもオレンジ色に彩られる小さな山の紅葉が、既に色あせていたこと。そこで、これも例年と変わらないが、遠くの山を望遠で引き付けることにして、上り列車を待つ。
 ところが、ここでまた鉄ちゃんにあるまじき失敗をやらかしてしまった。勘違いで上下列車の時刻を逆に思い込んでいたのだ。さあ、上り列車が来るぞと構えていたら、後ろから下り列車の音がしたときの脱力感と言ったらない。なので、下の写真は後追いである。これ以外にも、時刻表を見間違えて列車を撮り逃すなど、相変わらず初歩的なミスが絶えず、情けない限りだ。
 

松葉付近の築堤shadowshadow


 晴れるのは今日だけだなのだから、同じところばかりではなく、これまで撮ったことのない場所へ行くべきではないか。
 そう思って八津〜羽後長戸呂の橋梁めぐりを決める。この区間は秋田内陸縦貫鉄道全線開業時の新設区間で、山あいを大きく蛇行する桧木内川をもろともせず、トンネルと橋梁で一直線に抜けていく。おかげで何回も桧木内川を渡り、撮影ポイントも多いのだが、足の便はあまりよくない。
 実はかなり以前に、この区間をレンタカーで走ったことがあるのだが、行き違いのできない未舗装のまさに山道で難儀した経験がある。さらに一帯は採石場となっていて、ちょっと異世界に迷い込んだような光景に面くらい、なんとなく避けていたのである。
 しかし、この区間を撮らないままにしては「集大成」にならないではないか。腹を決めて八津側の国道105号線から件の道に入る。採石場までは狭いながらも舗装路であるが、途中で採石場からのダンプカーが2台もやってきて、すれすれで行き違い、いよいよ未舗装の山道を進む。でも、50mほどで早々に「無理」と音を上げて、ひたすらバックして戻り、車を置いて歩くことにする。
 こうして3本の列車を撮影したが、予想に反して橋が山の陰に入ったりして、まともに撮れたのは下の写真のみ。おそらく下田橋梁だと思うが、青空に川の流れなど欲張りすぎて、肝心の列車が小さくないか?右下の大きな石は避けるべきでは?など、いろいろ注文を受けそうな出来である。
 

下田橋梁shadowshadow



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