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三陸鉄道/北リアス線
2018年3月、JR八戸線キハ40引退。
2019年3月、JR山田線の一部が三陸鉄道として復旧予定。
実際に現地へ出かけたのは、その狭間の2018年4月。どうせなら1ヶ月早く、あるいは1年後にすればよさそうなものだが、思い立ったが吉日なのである。
いつものパターンで、東京に前泊した翌朝、「はやぶさ47号」で八戸に入り、キハ40から入れ替わった新車のキハE130形で久慈へ向かう。何を隠そう八戸線は初乗車である。予想以上にすばらしい車窓に撮り鉄ごころを刺激される。次は八戸線を撮りに来ようか・・・。
終着の久慈駅や、これから乗車する三陸鉄道北リアス線も、もちろん初めて。駅の周囲を少し見て歩き、三陸鉄道112D列車の発車間際に駅の窓口へ。そこには、私の名前を記した札のついた「うに丼」弁当がぽつんと残っていた。
「あ、これ私です」と申し出ると、職員がほっとしたような顔で手渡してくれた。
そう、112D列車は、GWから「お座敷列車北三陸号」として36−Z1形を併結するのだ。いつもレンタカーで移動してしまうので、せめて初めてのときくらい鉄道会社にお金を落とそうと、お座敷列車と「うに丼」を予約していたのだ。それが、発車ぎりぎりまで取りに来ないのだから、職員も気が気ではなかったことだろう。ちょっと悪いことをしてしまった。
乗車券1,850円、指定席券300円、うに丼1,700円、締めて3,850円也を支払い、跨線橋を渡って乗り場へ。出発ホームでは、今年の運行初日ということで出発式が行われていて、その脇をすり抜けて車内に入る。36−Z1形は、4人掛けのボックス席に靴を脱いで座るというスタイルで、予約時に相席の了解を求められたが、それは百も承知である。いつもは一人が大好きなくせに、旅先で気分が高揚していたせいか、どんな人とお供するのか、逆に楽しみでもある。
ところが、指定されたボックス席は、私一人。考えてみれば、こちらはよくても相手が相席を敬遠したのだろう。現に色気のないおっさん撮り鉄だし。鉄道会社にお金を落とすなどと偉そうに言いながら、結果的に残る3席分の売上を邪魔しただけかも知れない。
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乗ってきた八戸線のキハE130形
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お座敷車両36−Z1形
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12時07分、ホームの鉄道会社や地元の人たちに見送られて、定刻に発車。
早速、「うに丼」をいただくことにする。もう何十年も前の学生時代、「三陸には、ウニをてんこ盛りにした丼がある」と聞いて、いつかは食べたいと思っていた。その「うに丼」が今、目の前にある。少しかしこまって初めての「うに丼」を口にすると、濃密でありながら上品なウニの風味が広がるのであった。
今回手にした「うに丼」は、値段からして小振りなのはやむを得ない。BOX席を占領してしまったこともあるし、もうひとつ買っておけばよかったかな。
食後は、乗車のもうひとつの目的であるロケハンに徹する。
観光列車だけあって、眺めのよい橋梁では一旦停止や徐行をして走る。その間、あの場所からなら撮りやすそうだとか、この橋梁は側壁があって撮りにくいとかチェックに忙しい。他の乗客はゆったり景色を愛でているのに、撮り鉄の悲しい性である。
宮古でレンタカーを借りて、乗ってきたばかりの北リアス線沿いを戻る。でも、列車内から目星をつけた場所へ行ってみると、意外に撮りにくかったりして、みすみす数本を撮り損なってしまう。いったい何をロケハンしていたことやら。
摂待(せったい)付近の橋梁も、本当は摂待川を入れて撮りたかったのだが、障害物があって妙なアングルとせざるを得なかった。せめて土手に咲いていたレンギョウ?を入れて、春らしさを演出してみる。
田野畑〜普代で、見通しが良さそうだとマークしていた築堤と高架の区間に着いたのは、もう夕暮れ近く。そこで敢えて半逆光、かつ、稲を干すためのものだろか、柱のように並んだ木を入れて。
いよいよ日が暮れて、最後に高架で残照狙い。夕焼けになれば、なおよしと思ったものの、やはりそうは問屋が卸してくれなかった。