立山からの帰りは、同じ道をたどるのも能がないので、途中で立山大橋へハンドルを切る。行きがけの芳見橋からも見えた立山大橋は、1999年にかけられた大きなPC橋で、カーブした橋上からの眺めはすばらしい。常願寺川沿いに富山地鉄もなんとか望めるので、ここで撮影することにする。
もちろん車は橋の上ではなく、近くの立山風土記の丘の駐車場に置く。観光客は橋の上で車を停めて、記念写真を撮ったりしているが、鉄ちゃんは控えねばならない律している。ただでさえ、うとましく思われがちな鉄ちゃんである。いい歳をした鉄ちゃんが線路内で撮影して列車を止めたとか、先の『日本海』廃止時も、「どうする鉄ちゃん対策」というような新聞記事を読むのは悲しい。もうこれ以上顰蹙を買いたくないというのが本音だ。ということで、今回はしつこく車の駐車場所について記したのである。
さて、立山大橋での撮影だが、さすがに吹きさらしの橋上は寒い。気温の変化で鉄板が収縮するためか、ときおり「ゴーン」と大きな音が響きわたるのもちょっと不気味。そんな中、時刻表を見誤って、夏の臨時列車をひたすら待ったり、大ボケをかましながら1本のみ撮影。
この写真は、今年(2012年)の年賀状にも使ったもので、その際、かなり画像に手を加えている。そのために、極めてわざとらしい色合いとなっているが、そのまま載せてみた。
既に陽はかなり傾いてきたので、立山大橋から横江駅付近へ急ぐ。早くしないとススキの輝きが失われてしまうと危惧したのである。
果たして横江駅に着いてみると、ススキの原は、すべて艶消し色となっていた。秋の陽のつるべ落としにはかなわない。
横江駅はあきらめ、沢中山〜岩峅寺間で立山連峰をバックに撮り、さらに富山へ戻る途中、適当な場所(下段〜釜ヶ淵〜沢中山あたり?)で、日没後の残照を撮って、その日は終了。
日が暮れるにつれて、写真も尻すぼみになった感があるが、そもそも半日の行程ではしかたない。いつの日か再チャレンジしたいと思っている。
【2011年11月現地、2012年4月記】