上田電鉄3/5
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中野池の後は、中野駅から下り電車に乗って、終点の別所温泉まで行く。
別所温泉駅の改札口では、袴姿の見目麗しき女性駅員が集札していて、華やいだ空気に包まれる。
記念写真を、と思ったものの、おそらく鉄ちゃんだけでなく、観光客の引きもきらないだろうから遠慮して、列車の発車を最敬礼で見送る後姿だけ撮る。
出発する電車を、最敬礼で見送る。 いや、その、記念写真は遠慮したのだが、やっぱりお姿を写真に残したくなって、出札口越しに声をかけて撮らせてもらったもの。
駅前に立つと、30年以上前に訪れたときと雰囲気はあまり変わっていないように思う。
昔と変わらない駅前では、ボランティアの人たちだろうか、丹念に掃除をしていた。
ここからひとつ手前の八木沢まで、沿線で写真を撮りながら歩く。
別所温泉〜八木沢間にて。
わざと電車を少し手前にしたわけではなく、実は目測を誤り、次の瞬間には画面をはみだしてしまったのだ。
刈り取った稲を干す、はせがけの作業をする農家の人を見かけて、電車とからめて写真を撮る。
もっとアップにすればいいのに、どうしても編成をきっちり入れたくなってしまうのが悪い癖。
八木沢駅も、昔の風情を色濃く残した駅である。ホーム側に駅舎の屋根が張り出し、不安定な感じの不思議な構造だ。屋根裏は物置だったのだろうか。
この駅の近くで、列車の走行写真を撮ったのだが、今から思えば駅舎とからめたほうがおもしろかったかも。
特に最近東急からやってきた1000系は、中古ながらシングルアームのパンタグラフにインバータ制御の最新型である。その1000系がVVVFインバータ音を響かせながら、古めかしい駅を発車してゆく。なんともミスマッチな感じがするが、それがいまどきのローカル私鉄の光景なのである。