上田電鉄5/5
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園児たちが去り、ぽつんとひとり下之郷駅に取り残されて、さて、これからどうしたものか。
この駅では、自転車をレンタルしてくれるそうなので、せっかくなので借りてみることにする。
出札口で申し込み、「えっとお金」とかばんの財布を探すと、「お金はいりませんよ」と駅員から声がかかる。なんと無料だとは思いもしなかった。自転車に貼られたシールに、『別所線電車存続帰省同盟会』とあり、その会の提供なのだろう。新品の6段変速の自転車をありがたく拝借する。
ペダルを漕ぐと、「気持ちいい〜」と思わず声が出てしまうくらい、爽快な風が全身を吹き抜けるのであった。
早速、下之郷駅付近で上下列車を撮って、2駅上田寄りの神畑駅まで足を伸ばしてみる。この駅の近くの沿線で、りんごが赤く実っているのを電車の中から見つけていたからだ。
りんご畑の写真の中で、最も電車がはっきり写っているのがこれ(トホホ)
ただ、意外にりんごの枝が密なので、電車が見通せない。誰か農作業をしていれば、声をかけて中に入らせてもらうところだが、人の気配はなく、やむを得ず畑の外から撮る。
結局、ここでの撮影の首尾は芳しくなかったのだが、それより気になったのは、隣の畑のりんごが赤というよりもう紅色になっていて、熟れすぎているように見えたこと。何か事情があって収穫できないままなのだろうか。
再び下之郷付近に戻り、数本の列車を敢えて逆光で撮ったりしてみたが、どれも今ひとつ。
適当なところで切り上げ、自転車を駅に返し、ちょうど下之郷始発の電車で上田に戻ったのであった。
下之郷に向かう上り電車。
実は足回りが欠けてしまっている。下之郷で交換して下り電車がやってきた。
すすきをもう少しきれいに見せたかった。
そうそう、書き漏らしたが、下之郷での撮影の合間に、『生島足島神社』にお参りしたのはもちろんである。
隅々まで手入れが行き届き、閑静でありながら、何かしら不思議な力を感じるところは、さすが由緒ある神社だ。
ここで、さきほどの幼稚園児たちが、どんなふうに過ごしたのか、ちょっと見てみたかったな、と思うのであった。
【2009年9月現地、2010年1月記】1978年ごろの上田交通時代の様子はこちらへ。