由利高原鉄道20132/2
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西滝沢での撮影を終えて、久保田駅へ向かう。次の下り5Dまで1時間以上あるので、沿線の古民家やホーロー看板を撮りつつ、のんびり散歩気分で歩く。
ただ、得てしてそういうものだが、久保田までの道のりの半分も進まぬうちに雨、それも次第に雨脚が強くなり、最後は早足で久保田駅の待合室へ逃げ込む。
強風も加わり横殴りの雨に、しかたなく5Dは、待合室隣の自転車置場で雨をしのいで撮ることにする。桜は撮れないが、久保田駅の前郷寄りの築堤一面に広がる水仙狙いだ。
と、これまた列車が来る直前に、急に雨がやみ、明るくなってきたので、真正面のアングルになってしまう自転車置き場を出て、少し横に回って5Dを撮影。
さあ、雨もやんだことだし、次こそ本命の桜だ。
駅の端を流れる小さな久保田川のほとりで、桜の合間からというありがちなアングル。ちょっと電柱が邪魔かな、と思ったものの、車両がかからなければいいと撮ったのだが、写真にすると電柱がどうにも気になってしまう。このへんが悪い癖で、撮影時は見たくないものを意識から消してしまうが、記録(写真)にはしっかり残ってしまうのは当たり前。もう少し右に寄って撮ればよかった。
やってきたのは、先ほど5Dで矢島から折り返してきたYR2002。というわけで、同じ車両の写真ばかりになってしまうのはしかたない。
ここでもう1本という誘惑にかられながらも、当初の予定どおり、由利高原鉄道の撮影は切り上げる。
久保田から11:02発の10D羽後本荘行きに乗ってもいいのだが、10Dは次の前郷で下り7Dとの交換がある。それなら先に前郷まで歩き、交換シーンを撮ってから10Dに乗ろうと決める。前郷へ歩き出すと、やはり途中から雨に打たれてしまったのは、もはやお約束か。
前郷では、駅員に断って少し早めにホームに出て、10Dを待ち受ける。到着したのは昨年(2012年)導入されたYR3001だ。到着直後、これもまたお約束のタブレットを受け取るシーンを撮らせてもらう。
交換する7Dは、羽後本荘からの折り返しだから、当然YR2002だ。気持ち花の残る桜並木を横目に前郷駅へ進入する。
前面のかぶりつきにお母さんに抱っこされた男の子の姿が見えた。手にはしっかり手づくりのこいのぼりが握られている。私も去年「こいのぼり列車」の車内でもらったものだ。それで気づいたのだが、この7Dこそ「こいのぼり列車」なのであった。
7Dとのすれ違いざまに、真剣なまなざしでじっと前を見据える男の子にカメラを向ける。これをラストショットにして、羽後本荘へ引き上げたのであった。
ところで、由利高原鉄道を早々に切り上げて、一体どこへ向かったのか。
実は、奥羽本線鷹ノ巣経由で秋田内陸縦貫鉄道に入り、角館へ抜けて、武家屋敷のしだれ桜や、桧内川堤の桜を見に行く予定にしていたのだ。
直前の開花予想では、角館は満開ぴったりのタイミングとなり、だからこそ由利高原鉄道の桜が終わっていても余裕をかましていたのだが、いざ着いてみると、まだつぼみの状態。今年の桜は例年以上に遅れ、満開は桜まつりも終わるゴールデンデンウィーク明けだったという。急きょ桜まつりも5月12日まで延長されたそうだ。
それにしても、もともとは、羽後本荘と角館のどちらかで満開に出会えるよう周到に計画を立てたつもりなのに、見事にエアポケットに入り込んでしまった気分だ。来年リベンジするしかない!?
角館の武家屋敷の様子。写真ではしだれ桜が色づいているように見えるが、実際はつぼみ。おまけに連休前半は連日雨が続き、散々であった。
【2013年4月現地、同年5月記】