駄菓子さんの血液型はB型。かたや私はA型。
一般に、B型は直感的な自信家で、マイペースなので、几帳面、神経質で心配性のA型とは相性が悪いと言われる。
ところが私は不思議とB型の人と縁があって、新入社員で配属されたときの課長がB型、1年後輩の初めての部下もB型。で、そりが合わなかったかというと、10数名の課のメンバーの中で、最も親しくさせてもらったのが、この2人なのである。もちろん、血液型の相性ではなく、2人の人柄によるところは大きいとは思う。
でも、やはり私はA型らしく、いじいじと悩み勝ちで、「こうするんだ」とB型ならではの決め付けで、踏ん切りがついたことも多い。だから、A型の私にとって、B型の人は、一般論とちがって頼り甲斐のある人というイメージなのである。
まさしく駄菓子さんとの関係もそうだった。
原稿書きに詰まってしまって、つい「もう書くのがしんどい」と愚痴をこぼしてしまう私に、「そうかぁ?楽しいけどなあ」と返す駄菓子さんの言葉に、はっと目を覚まされることもあった。そうだった、現地取材でたくさんの人に会えて楽しかったじゃないか。その楽しかったこと、それも好きな鉄道のことを書くんだから、幸せなことじゃないか。
何事も前向きに取り組むことが大事だということを、駄菓子さんから改めて学ばせてもらった。
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熊本市電9700形、9702号。(田崎橋にて)
同じ9702号でも、連接車のため、
手前の車両がB、奥がAと区分される。
そう、まさしく『がんばれ!路面電車』は、
B型の駄菓子さんとA型の私が、連接車の
ようにペアを組んでつくったものなのだ(^^)
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本が出版されたらされたでA型は世話が焼ける。どこかに致命的なミスがあるのではないか、全く売れないのではないか、泥沼式に不安が募る。
直接出版社に尋ねるのは怖いので、駄菓子さんを通じて売れ行きを聞いてみると、「まだわからないが、出版社内の評判はいいらしい」との答え。それって、もしかしたら本当は売れてないので慰めてくれているのではないか・・・本当にA型は手に負えない。
「山海堂で出版した**さんの本は2回増刷して、**部になったそうだから、そのくらい行くかな」とさらっと言う駄菓子さんの言葉で、また目が覚める。だいたい、ひとりで書いた本じゃないし、駄菓子さんのペーソスが底流にあって、自分でも肩の凝らない本だと気に入っているじゃないか。
もしかしたら、これを契機に原稿依頼が次から次へと舞い込んで、井上靖のように40過ぎてから華々しく文壇デビュー、なんてことがあるかも知れない・・・
A型って、妄想癖もあるんだったけ・・・?
【2000年8月記】