続いて趣味の話
■鹿児島市電
本文と直接関係ないが、谷山駅舎。
とぼけた顔がユーモラス。
終点谷山で、町の様子をうかがおうとぶらぶら歩いていると、安室奈美恵のようなかわいらしい女の子とすれ違った。
「おお、さすが鹿児島だ。やっぱり南国には安室奈美恵のような女の子が多いんだな」なんて感心しつつ、駅に戻って停車中の電車に座った。
ふと誰か乗車する気配に顔を上げると、なんとその女の子が乗ってくるではないか。
何食わぬ顔で、つつっと席を詰めて、一人分の席を空ける。この誘い水が利いて、彼女は私の隣に座った。
「やった!」
と、何気なく彼女の手元を見ると、左手薬指に指輪が・・・「ガ〜ン」
(40過ぎの妻子持ちが「やった」も「ガ〜ン」もないもんだが)
「そうか、結婚してるのか。そういえば安室奈美恵も結婚していたっけ」とまた変な感心をする。
さらに手元をよく見ると(コラコラ)、手が荒れている。
「ああ、若いのにちゃんと炊事、洗濯もしているんだ」(余計なお世話)
天文館通りまで買物かな、という予想に反して、途中の電停で降りてしまい、言葉を交わす間もなく終わってしまった。ただそれだけの話。
■岡山電軌
3000形が、女子高生で
見る見る満員になってゆく。
ほとんど軽快電車形の車体に更新された岡山電軌にあって、元東武日光線の3000形が一日一往復だけするとお聞きして、朝の8時前に岡山駅前の電停に行ってみる。と、何とも女子高生であふれかえっていた。
『がんばれ!路面電車』の岡山電軌の原稿は、私の担当だったので、このことにも触れたが、ここで訂正をしておかなくてはいけない。本の中で、私は車内で女子高生に囲まれて「ぼーっとして」いたとあるが、これは校正をお任せした駄菓子さんが勝手に書き加えたものである。正しくは「でれーっとして」いたのである(^^;
それはともかく、女子高生で満員なのは桃色な、いや色々な意味で困った事態であった。
鉄ちゃんというだけで十分怪しいのに、大勢の女子高生の中にカメラを持った中年男がひとり・・・想像するだけでも恐ろしい。カメラを下に降ろしたら誤解を招きそうなので、ずっと持ち上げておく。そして女子高生に、
唯一の?車内写真
「この電車だけ古いんだよね。おじさんはこの電車に乗りたくて来たんだよ」
なんでこんな言い訳をしなくちゃいけないの、トホホ。
3000形の車内を撮りたかったが、さすがにそんな勇気はない。終点の東山で、女子高生が降りるのを待って車内を撮ろうとすると、集金係のおばちゃんが、早く降りろとばかりに「140円!」とせかす。しかたない、後で撮らせてもらおうと一旦下車する。すると、たちまち3000形は入庫してしまった。「うわあ、待って〜」と声にならない叫び声だけ残して・・・
【2000年9月記】