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西鉄北九州線・筑豊電気鉄道
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若い車掌さん
カメラを向けると、ちょっと緊張気味に
ポーズを取ってくれた若い車掌さん。
 やってきたのは新型連接車の3000形。北九州線とは対照的に乗客も多く、活気がある。若い男性の車掌さんがてきぱきと両替をしている。そんな車掌さんの姿を撮らせてもらったり、沿線の様子をメモしながら一気に終点の筑豊直方までゆく。
 直方駅直前の遠賀川で数枚写真を撮り、駅に戻って、停車中の電車に乗りこむと、運転士も車掌も乗客も、みんなテレビに釘付けだった。ちょうど男子マラソンの終盤を迎えていたのだ。おおトップは誰だ、と思わずこちらもテレビに見入ってしまう。と、定刻となり、電車が発車した。さすがに電車が走り出すと、画面が乱れ、音も聞き取りにくい。ちょっと残念。

 楠橋で下車し、車庫を見学させてもらう。その後、事務所でしばらくお話を伺う。
「何かいい話はありませんかね」
「いい話なんてないねえ、北九州線の廃止は決まったし・・・」
「え、でも、黒崎駅をきれいにしたばかりじゃないですか」
「こちら(筑豊電鉄)が乗り入れるんですよ」
 自分の誤解に気づくと同時に、北九州線が正式に廃止されることを知った瞬間であった。
 事務所を後にして、途中、峠越えのムードが気に入った西山駅周辺で数枚写真を撮り、西鉄北九州線、筑豊電鉄かけ足の取材を終えたのであった。
左向き 右向き
    交互に点滅して分岐方向を示す?カギ型信号

 余談になるが、西山からの帰途、熊西駅西側の西鉄と筑豊電鉄の分岐点に、右向きと左向きのカギ型の表示が数秒ごとに交互に点灯している不思議な信号を見つけた。黒崎からやってきた電車は、この信号の手前で一旦停車している。
 しばらく見ているうち、これは長崎電軌にあった『直』『曲』の信号と同じではないかと気がついた。すなわち、折尾へ向かう西鉄電車は右向き表示、筑豊直方方面へ分岐する電車は左向き表示のときに進入すれば、それぞれの行先に応じて、ポイントが切り替わるのである。長崎電軌と違って、架線にトロリーコンタクターが見えなかったので、レールに信号電流を流しているのだろう。
 ただ、本当にポイント切替用の信号なのか確証はない。
「しまったなあ、早く気がついていれば、事務所で尋ねたのに・・・」
 ということで、未確認のままになってしまった。
 そして、西鉄北九州線が廃止された今、分岐の必要はなくなってしまったわけで、もし切替用に間違いなければ、このカギ型の信号も姿を消してしまったことだろう。

【2000年2月現地、2001年1月記】


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