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充電と言えばスマホやカメラのバッテリーなど対象は様々だが、ここでは前にも書いたプリウスPHVのこと。ただ、今回は顰蹙を買いそうな内容なので、ちょっと気が引ける。
プリウスPHVの充電用に、自宅に200Vの電源を備えたが、満タンにしても60キロ程度しか走れないので、外出先で外部の充電スタンドを利用することも多い。外部の充電スタンドは、出力の大きい20〜50kWhの急速充電と、自宅と同じ3kWh程度の普通充電の2種類あるが、基本的に有料で、プリウスPHVに限らず日産リーフなどのEV車の場合、自動車メーカーなどと外部充電の利用契約をしている人が多いだろう。
私も下表のトヨタの従量プランと定額プランのうち、前者の契約をしていた。
<トヨタの当初条件> 従量プラン 定額プラン月額基本料金 − 1,100円急速充電 16.5円 16.5円普通充電(1分当) 2.75円 使い放題定額プランの場合、基本料金1,100円は従量プランの普通充電400分に相当するが、どう考えても毎月そんなに充電しないので従量プランを選択したのだ。現に使用量ゼロの月もあり、その場合は請求額もゼロなので気は楽だ。
ところが昨年、トヨタがEV発売を契機という意味のわかりにくい理由で次のとおりプラン改定を発表し、既契約者は今年2月までにどちらの契約にするか決めろと迫られたのである。
<トヨタの改定条件> プランA プランB月額基本料金 550円 2,970円(90分)※急速充電(1分当) 55円 38.5円普通充電(1分当) 1.65円 使い放題※カッコ内は月額料金に含まれる急速充電時間。以下同様 改定後は従量プランがなくなるだけでなく単価が上がり、両プランの差も大きい。さらに昨年末、トヨタが電気代高騰を理由に再改定を突然発表し、3月までに手続きしなければ契約を終了すると通告されて唖然とする。いや2月までと言われた期限前に再改訂ってどういうこと? 料金も電気代高騰は認めるが感覚的には数倍の値上げで、何かの間違いではないかと、ホームページで過去の当初改定の発表内容を確認したところ、すべて再改定の料金表に書き換えられていた。過去の発表をしれっと消し去るなんて、なんだか天下のトヨタらしくない。
<トヨタの再改定条件> プランA プランB 普通充電プラン(新設)月額基本料金 1,650円 4,950円(90分) 550円急速充電(1分当) 66円 55円 利用不可普通充電(1分当) 4.95円 4.95円 4.95円さすがにトヨタの再改定は納得しがたいので、他社の契約条件を調べてみると、次の日産のZESP3(ゼロエミッションサポートプログラム3)は、日産車でなくても契約できるらしい。
<日産ZESP3の条件> シンプル プレミアム10 プレミアム20 プレミアム40月額基本料金 ※1 550円 2,750円(100分) 4,950円(200分) 9,350円(400分)急速充電(1分当)※2 55円 38.5円 33円 27.5円普通充電(1分当) 1.65円 使い放題 使い放題 使い放題※1 プレミアムの月額基本料金は3年契約の場合
※2 実際は10分単位で計算するため、1分でも10分、11分なら20分の料金となる。トヨタと比較すると、シンプルとプレミアム10がトヨタの当初改定のプランA・Bとほぼ同様(トヨタが真似た?)で、それなら当初トヨタに迫られた選択を日産のプランでしたらいいと考え、実はプレミアム10の契約をしてしまったのだ。トヨタの再値上げの通告に憤慨して日産に走ってしまったわけで、感情的になると無茶をしてしまうのは、私の数多い悪い癖のひとつだ。
そもそも日産に走ったとしても、なぜシンプルプランではないのか。これも冷静さを欠いていたのだが、遠出をして最も使用料が多かった月(急速充電115分、普通充電406分)の料金で判断してしまったのである。
<最大使用時の試算> 当初契約の使用料 シンプルの使用料 プレミアム10の使用料月額基本料金 − 550円 2,750円急速充電 1,897円(@16.5円) 6,325円(@ 55円) 770円(100分超分)※普通充電 1,116円(@2.75円) 669円(@1.65円) 使い放題合 計 3,013円 7,544円 3,520円※ 100分を超える15分を20分として試算
ちなみにトヨタの再改定条件ではプランAで11,250円、プランBで8,435円となる。おお、プレミアム10なら当初の契約とあまり変わらないではないか、と即決してしまったのだが、前述のとおり充電ゼロの月もあるのだから一概には言えない。一方、遠出で高速道路を使うとサービスエリアは急速充電器に限られるので、シンプル契約だと一気に料金が跳ね上がる。「ガソリンで走ればいいでしょ」とカミさんからも言われるが、特に高速ではEV時の静粛性、加速性は捨て難いのだ。
かように自分の中でもまだ迷いや混乱があり、トヨタ車なのに日産と契約して、なんだか他人のふんどしで相撲をとるような居心地の悪さもある。なおかつプレミアム10を契約してからというもの、普通充電は使い放題なのだから、自宅より外で充電したほうがいいと変な意識が芽生えてしまった。電気を使い放題というのはサブスクのようだが、音楽聞き放題や食べ放題などとは趣旨が違うようにも思える。
今年4月に入り、トヨタからは利用規約に基づき契約終了とのそっけないメールが届いた。終了させるつもりで更新手続きをしなかったのだから当然なのだが、どうもトヨタは契約者を減らす意図があるようにしか見えない。もしかしたら、ガソリンなどの燃料を石油会社が供給するように、電気の供給は自動車メーカーのテリトリーではないと考えたのかも知れないが、真意はわからないままだ。
日本ではEV車は普及途上で、各社の充電契約条件もこなれているとは言い難い。今後の動向次第では、契約先あるいは自らの都合で、また契約見直しを迫られるような気がする。
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