しし座流星群の現れる11月19日の前夜、しっかり目覚ましを午前2時前に合わせて、20時過ぎには寝床に。
3年前はスカだったが、今年はイギリスのアッシャー博士の予言が当たりそうな予感があった。
果たして、目覚ましで起きた午前2時、窓の外を見てみると、早速一筋の流星が流れていった。
「よし!」準備開始だ。
屋根裏部屋に望遠鏡、一眼レフカメラ、ビデオカメラを持ち込む。この日のために?屋根裏部屋には天窓をつけて、天体観測もできるようにしてあったのだ。本当は屋根裏部屋には鉄道模型のレイアウトをつくるつもりだったのだが、結局何も手をつけないまま、一般の屋根裏部屋らしく、物置と化しているのが実態である。
それはさておき、天窓を開けて、空を見上げると、結構な数の流星が見える。「見えたら起こしてあげる」と子供たちと約束していたので、2時半ごろには起こして子供2人としばし流星群を鑑賞する。
階下でストーブを焚いているので、屋根裏部屋は暖かい。屋外やベランダなどに比べたら、結構贅沢な観測態勢である。
流星はシャワーのように、とまではいかないものの、1分間に10個近くはあり、たまに大きな閃光を放つものもあって、思わず歓声が上がる。
「まだ痕が残ってる」と子供たちが驚くくらい流星痕が残るものも、いくつか見られた。
ただ、小学2年の娘は流星に感嘆しながらも、「地上に落ちてこない?」と少々心配そうである。
「本当はね、あの流れ星は、小さな塵みたいな大きさだから、地上に落ちる前に燃えつきちゃうんだよ」
なんて会話を交わすのも楽しいものである。
カミさんには、そんな夜更けに子供を起こすなんて、と小言を言われたが、やはり『しし座流星群』を見せて、よかったと思っている。
ところで、持ち込んだ観測機材のうち、一眼レフカメラには24枚撮りのISO800のフィルムを入れ、もちろんバルブで撮り、現像してみると、ネガはほとんど真っ白。(ということは真っ黒)
唯一、1枚だけ傷のような線が入っていたので、どきどきしながらスキャナーで取り込んだのが、下の写真。
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オリオン座を横切る流星
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カメラも適当にセッティングしたのだが、どうやらしし座よりずっと南のオリオン座に向いていたようだ。それもズームレンズを広角側にしたつもりが、望遠側(70mm)になっていて、今から思うと1/24の確率ではあるが、よく撮れたものだと思う。
一方のビデオカメラは20分ばかり撮影したが、再生すると延々真っ暗な画面が続いていて、完全に失敗であった。
結局、記録に残せたのは、たった1枚の写真であるが、プリントした写真を大事そうにしまう子供たちを見ると、父親の面目も保てたというものである。
面目といえば、アッシャー博士の「大出現」という事前予測に対して、国立天文台の予測は「例年通り1時間に20個程度」で、もちろん結果は国立天文台の面目丸つぶれ。翌日の新聞で、白々しく国立天文台が「過去300年間で最大規模」とコメントしていたが、どうせなら「いやあ、やられました」と言えばかわいいのに、なんて思う。
でも、国立天文台には申し訳ないけれども、予想が外れて大出現してくれたおかげで、すばらしい天体ショーを味わえたのである。本当に感動的な『しし座流星群』であった。
【2001年11月記】