周遊地内は乗り放題で、急行自由席もOK(末期は周遊地内の特急自由席も)だったワイド周遊券。
今は周遊きっぷと形はかわってしまったけれど、鉄ちゃんならずとも、旅行好きの人なら一度は使ったことがあると思います。
周遊地内発着の夜行列車のある北海道などでは、例えば函館から札幌へ夜行で行き、その晩また夜行で稚内へ、また夜行で札幌へ、次は釧路へ、網走へと無限に車中泊ができ、やれ10連泊だ、20連泊だという旅をした人もいることでしょう。(私は体力もない軟派路線だったのでとても真似できませんでしたが)
ところで、周遊券に地域別に絵柄のついた表紙があったのを覚えているでしょうか。
今でも旅行会社などでチケットを購入すると、その会社がデザインした表紙を付けて綴りにしてくれますが、ワイド周遊券の表紙は、国鉄、旅行会社とも同じデザインで統一されていました。
これらの表紙のいわれや運用の実態は全く知りませんが、私が周遊券を使い出した昭和50年代半ばには、ほとんど付けられなくなっていました。
ここで紹介した表紙も、購入時に頼んで付けたもらったもので、それもいつも通っていた吉祥寺の近畿日本ツーリストのものがほとんどです。同じ鉄仲間からは『日本国有鉄道』でなきゃ価値がないなんて言われましたが、国鉄の窓口で「すみません、表紙をつけてもらえないでしょうか」と頼むと、だいたい「そんなもんはつけんでいいんだ」と怒られるか、「ない」と言われるのが落ちだったので、敬遠してしまっていました。
その点、近畿日本ツーリストでは快く表紙を付けてくれるし、実は道南周遊券などは実際は買ってもいないのに、「表紙だけ分けてもらえません?」と悪乗りしてもらったものです。(それで周遊券の表紙がすべて揃いました)
吉祥寺では駅構内の旅行センターが便利なのですが、概して国鉄色の強い旅行会社の対応は今ひとつで、吉祥寺駅前商店街のはずれにあった近畿日本ツーリストばかり行っていました。
余談ですが、民営化後、JR西日本の旅行センターが『TIS』と、かわいらしい名称になったので、たまたま家族でディズニーランドへ行く機会に、試しに神戸駅のTISへ行ってみました。
中年の男性職員にディズニーランドのチケットを扱っていることを確認したうえで、
「もし、当日都合が悪くて行けなかったら払い戻しできますよね」と尋ねると、
「はあ?そんなことできるわけないでしょ」とにべもなく、本当にだめか念を押しても、だめとの一点張り、あげく、「どうすんの、発券するの?」と迫るので、「じゃあいいです」と言うと、出直してこいという感じで返事もありません。こりゃ駄目だとその足でとなりの日本旅行へ行き、同じことを尋ねると、
「はい、できます。ただ、恐れ入りますがその場合、手数料**円(失念)を頂戴することになりますがよろしいでしょうか」
もちろんOKしました。
TISの職員はおそらく国鉄OBで、チケットの払い戻しと聞いて、「特急の指定席に当日都合が悪くて乗れなかったら払い戻しできますよね」という感覚で受取り、何をばかなことを言ってるんだと余計つっけんどんになったのでしょうが、やはり申し訳ないけれど、その後二度とTISに行こうという気はおきません。
もちろん、国鉄でもお世話になった職員の方はたくさんいらっしゃるのですが、窓口で一回でもそんな経験をしてしまうとぶち壊しですね。これは国鉄に限らず、役所や銀行、病院などの窓口にも言えることだと思います。その名のとおり、お客さんとの接点が窓口なんですから、もっと大事に考えたらいいのになと思うことが多々あります。
ところで、ディズニーランドを予約した当日は大雨で、結局サンリオピューロランドに化けてしまい、チケットは手数料を払って払い戻しとなってしまいました。
で、何の話でしたっけ。
そう、周遊券。それぞれの表紙の画像は拡大できますので、もし思い出の周遊券、興味のある周遊券があれば、クリックしてみてください。
それから周遊券の裏表紙には簡単な路線図がありましたよね。今作ったら、北海道周遊券など淋しいものになりそうです。
ということで、
“周遊券の裏表紙”も用意しましたので、よろしかったら寄ってみてください。
最後におまけの画像を。
これは北海道周遊券のいわゆるB券ですが、こんなふうに周遊券を途中下車印だらけにしたことはありませんか。
いつのまにか、本来の途中下車目的ではなく、わずかな停車時間を盗んでは改札口へ走り途中下車印を押してもらい、出札口で入場券を購入して列車に駆け戻るなんてことをしてたりして・・・・・
読んでいて、心当たりのある鉄ちゃんも多いのではないでしょうか。
【1999年4月記】