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兵庫港貨物線跡 路線図
■ C地点(新川駅跡)
【C地点 新川駅跡】
中央のコンクリート敷がホーム跡であろう。
このホームをはさんで、複線になっていたようだ。
画面奥が兵庫港側。日清製粉の工場も見える。
左手の新川駅跡の手前に、忘れられたように
朽ちかけた道路標識が残っていた。
100mほど先に和田岬線の踏切があるので、
撤去するまでもないということか。
川崎重工の南端付近で、兵庫港貨物線は和田岬線と分かれ、バンドー化学の工場内に入ってしまうので、廃線跡をたどることはできない。外から、カーブした線路に沿って建てられた建物の配置を確認するくらいである。
バンドー化学の周囲の道路を迂回して裏にまわると、空地のままの新川駅跡が広がっている。さすがに線路はないものの、貨物ホーム跡らしき隆起があって、駅跡らしい雰囲気が残っている。
新川駅跡から先で、今度は日清製粉の工場を横断する。バンドー化学と同じように、建物がカーブして配置されているので、その間を通っていたことが推測できる。もちろん、ここでも工場内に勝手に入るわけにはいかず、周囲の道路を迂回する。
これまで、廃線跡と言えば、道路になっていたりして、歩きやすかったのだが、今回はジグザグにたどらざるを得ず、予想外の時間と体力の消耗を強いられることになった。
■ D地点(大和田橋付近)
【E地点 大和田橋付近】
このオートバックスの裏手に
新川を渡る橋があったはず。
ここは、沿線で最も期待していた場所である。新しい地図でも小さな橋の表示があったので、鉄道橋が転用された可能性が高いと踏んでいたのだ。
ところが、遠目に『オートバックス』という看板が見えて、いやな予感。近づいてみると、案の定、周囲はすっかり整地され、橋の痕跡すら残っていなかった。
しかたなく、1枚だけ写真を撮ろうとカメラを構えると、通りすがりの人がちらっとこちらを伺う。きっと『オートバックス』の宣伝写真でも撮っているとしか思えないだろう。「違うんだ、廃線跡を撮っているんだ!」と叫びたい心境であった。いやしかし、もし叫ぶのだったら、「宣伝写真」としないと、世間には通用しないか。
■ E地点(中央卸売市場付近)
【E地点 中央卸売市場付近】
わかりにくい写真になってしまったが、
白く塗装された部品の下に線路が残る。
左手奥が中央卸売市場、右手奥に
兵庫港に向かう線路跡が続く。
大和田橋を越えると、また工場や住宅の間をすり抜けるように廃線跡が続く。ただ、駐車場になっていたり、家が建ってしまったり、途切れ途切れになっていて、ジグザグにたどることに変わりはない。
大通りに出て、ようやく視界が開けると、神戸市中央卸売市場である。
ちょうど、市場に分岐する地点だけ、どこかの工場の塗装用の架台として、線路が残されている。ちょうどポイントの部分でレールが複雑なので、線路幅より短い部品でもうまく載せられて好都合だろう。
塗装作業で文字通り色とりどりとなった線路ではあったが、やはり現物が残っているのはうれしい。
一方、分岐して市場に向かっていた線路跡は、市場の入口からのぞきこんでみたものの、判然としなかった。