■岩村から明智へ
駅に戻り13時59分発の下り列車で明智へ。大正村と称することで有名な明智の町も散策したかったが、やはり撮鉄としては、走行中の写真を一枚くらいは撮りたい。
ただ、次の明智折り返しの列車を沿線で撮るには時間が足りないので、まずは駅で発車のシーンを撮影させてもらう。
ここの駅員もやはり気さくな方で、本屋の中で閉塞機の写真を撮らせてもらったり、明知鉄道の写真集などをあれこれ持ち出して、見せてくれる。
「これも持っていき」と10年以上前の第三セクター化1周年記念入場券をぽいっと渡される。
「ただでいただくわけには」と答えると、
「いや、中身はないから、自分で買って入れてな」といたずらっぽく笑って言う。
なるほど開いてみると、それは入場券を入れるポケットが3つ並んだホルダーであった。言われたとおりそのポケットは空であったが、好意をありがたく頂戴する。
明智駅も居心地がよく、もう少し留まりたいと思ったものの、やはり走行写真は撮りたいので、その駅員にお礼を言って駅を辞した。
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「写真撮らせてください」と断ってカメラを向けると、
予想以上のオーバーアクションで画面からはみ出てしまった。
「信号よし」明智駅を発車する上り列車。
←写真は2枚あります。画面に触れてみてください。
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列車で明智まで乗ってきたときは、もう少し距離があるように思えたが、歩いてみると意外にあっけなく野志の駅が見えてくる。駅まで行ってもしかたないので、手前のたんぼの傍に陣取り、下り列車を待つ。ビデオを三脚に、一眼レフを手持ちにした二兎作戦である。
ビデオからそれなりに離れて撮ったつもりだったが、後で再生してみると、ビデオのマイクはしっかり一眼レフのシャッター音を拾っていた。
野志発15:50の上り列車で帰途につく。
岩村駅に入線すると、ホームに学生があふれている。そうか、もう下校時間なんだ。みんなが一日学校で勉強している間、こちらはうろうろと写真を撮り歩いていた。なんとなく後ろめたいが、そもそも会社を休んでいること自体、何をか言わんやである。
一旦、ホームに降りて、タブレットの交換シーンを撮らせてもらう。
撮影を終えて、再び車内に入ると、もう高校生で満員だ。床にへたりこんでいる高校生をかき分け、往きと同じように運転台の横に立って帰途についたのであった。
【2003年6月現地、2004年5月記】