小石原川堤防の踏切に長居をしすぎた。陽が沈む前に築堤で撮影したかったので、急いで移動する。思った以上に時間がかかり、振り返ると甘木駅を17時04分に発車した170列車が迫っている。これは間に合わないと道端に止めて、自転車にまたがったまま後追いで撮ったのが下の写真。ピントもうまく合っていないが、皮肉なことにこの写真が、この日もっとも夕暮れらしい色合いとなったのであった。
夕日がいよいよ沈んでいく。朝に71列車を撮った六田踏切に立ち、また後追いで172列車を狙う。手前のススキが夕日で赤く染まるとの思惑もあったが、それより列車や太陽の位置が中途半端な結果に。でも、そもそも天気が悪いといわれていたこの日、朝日と夕日の両方が拝めたこと自体、感謝しなくては。
最後は甘木着17時48分着の173列車。もうあたりは暗がりに包まれて、この写真はISO2500まで上げている。ここまで粘ったのも、ひとえに夕焼けを期待してのことだが、ぱっとしないので、実はこの写真のみ少し赤みが増すよう手を加えている。
列車の時刻でお分かりのとおり、レンタサイクルを返す18時が迫っている。これに遅れては、さきほどのスタッフに申し開きできない。ひたすらペダルをこいで甘木駅へ急いだのであった。
この日を振り返ってみると、本来の墓参り・親戚挨拶ではなく、撮り鉄が目的だったと言うほうが当たっているかも知れない。いや、どれも優劣などつけようのない充実した一日なのであった。
【2016年10月現地、同年11月記】