厄神で
三木鉄道からJR加古川線に乗り換え、粟生で今度は北条鉄道に乗換えだ。
ホームで待つことしばし、2両編成のディーゼルカーがやってきた。三木鉄道のおとなしいカラーリングに対して、北条鉄道はなかなか派手である。
折り返しの下り列車で沿線の様子をチェックしながら終点の北条町まで一気に向かう。
北条町駅に到着すると、運転士からスタフが駅員に渡される。
北条鉄道は、三木鉄道と同様に途中に交換駅のない全線一閉塞の路線である。ということは、ひとつの列車しか行き来できない、つまりスタフもひとつである。
北条町で同じ車両が折り返すなら、スタフを車内に置いておけばいいように思うが、それでも一旦駅に返すのがルールである。
そして、右写真のように、発車直前に再び駅員から運転士に渡されるのである。
一方、粟生駅のように北条鉄道のホームしかない駅ではスタフを返しようがないので、運転士が持ったまま折り返している。
ちなみに同じく全線一閉塞の三木鉄道も、厄神駅ではそのまま折り返しているが、三木駅ではちゃんとスタフを駅に返している。
その三木鉄道では姿を消してしまったレールバスであるが、北条鉄道では1両だけフラワ1985形が残っている。
ただ、この日は出番がなく、ずっと北条町駅に留置されたままであった。
北条町駅は、最近改築され、いかにも今風の凝ったつくりの駅舎になっている。駅前の再開発ビル『アスティアかさい』と合わせて近代的ではあるのだが、どうも落ち着かない。
三木鉄道三木駅のベンチのような安らぎは、残念ながらここでは得られないそうもない。
少し早めだが、昼食をとることにして、その『アスティアかさい』の中にある『希望軒』というラーメン屋に入る。最近のラーメン屋らしく、店員がみな青い手ぬぐい(もしかしてバンダナって言うの?)を頭に巻いている。いつから流行りだしたのだろう。
初めてなので、とりあえず店の名前を冠した『希望軒ラーメン』を注文しようと、「きぼうけんラーメン」と店員に告げると、「ホープ軒ラーメンですね」と返されてしまった。
??と一瞬思ったが、そうか、『希望』を英訳して『ホープ』と言っているのか、紛らわしい。
ただ、食べてみると、好みは分かれるかも知れないが、濃い目の味付けは悪くない。で、家に帰って調べてみたら、兵庫県下にチェーン店があって、それなりに有名であることを知った。「きぼうけん」なんて読んだことを会社の若いコに知られたら、また馬鹿にされるところだった。あぶないあぶない。