ひたちなか海浜鉄道20131/4
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茨城交通、いや、ひたちなか海浜鉄道を再訪したのは、今年(2013年)7月下旬の平日。それでも休暇を取っていないのは、昨年の関東鉄道常総線と同じだ。
実は、毎年この時期、夏場の電力ピーク調整のため、他の休日と振り替えて、数日間休業するのである。それで電気代がどれくらいセーブできるのかは知らないが、社員にとっては、もはやお盆休み以外の貴重な夏休みということで定着してしまった。
のぞみ、フレッシュひたちと乗り継いで、夜遅く勝田のホテルに到着。
いつも天気予報のことばかり書いているように思うが、撮り鉄にとっては、やはり天候は気になる。早速、ホテルのテレビで確認すると、翌日は曇のち雨と芳しくない。
翌朝、外の様子を伺うと、やはりどんより曇っている。全くテンションが上がらず部屋でぐずぐずしていると、なにやら急に外が明るくなった。カーテンを開けると青空が広がり、燦々と陽が照りつけている。
うっそ〜、急いで出立の準備をして、勝田駅へ。
ひたちなか海浜鉄道のホーム入口にある窓口で、フリーきっぷ800円也を購入。切符を受け取り、列車へ行きかけると、職員が思い出したように「それからこれも」と何やら差し出した。おや、おまけがあるのかと手に取ると、それは「干し芋」であった。職員が出し遅れたのは、おそらく忘れていたのではなく、どう見ても鉄ちゃん、それもおっさんに干し芋を渡していいものか、逡巡したに違いない。でも甘党の私には、ぴったりだ。ありがたく頂戴する。
ホームで待っていたのは、2008年に廃止されてしまった三木鉄道のミキ300形。塗装も三木鉄道時代のままで、なつかしいと言うより、こんなところで再会するのが不思議な感じがする。これで金上まで行き、定番撮影地の中根へ向けて歩く。
しばらくは線路に沿った道がないので、県道を歩き、適当なところで路地を折れて、踏切へ行ってみる。ただ、これと言った手応えはなく、また次の路地に入り、平井踏切へ。ああ、ここは来たことがある。7年ほど前、日立へ出張する機会があり、例によって前夜から入って、早朝のキハ20形の3連を撮ったことがあったのだ。
せっかくなので、そのときの写真を。このときも天気は悪く、暗い感じだ。なぜかキジが線路をうろうろしていて、列車に追い立てられるように逃げていく。
撮影した2006年は、第三セクター化される前で、まだ「茨城交通」と称していた。
3連の先頭は旧国鉄色に塗り替えられた元羽幌炭礦鐵道のキハ222。運転席の旋回窓が北国出身の証だ。
続く2〜3両目は、キハ2005とキハ205だろうか。
このスジに相当するのが、今の114列車だ。もはやキハ20形は、休日にしか走らないとは聞いていたものの、もしかしてなんて淡い期待を抱く。
しかし、時刻表を確かめると、114列車は勝田から乗った109列車の折り返し、つまりミキ300なのである。下の写真は、同じ踏切で撮ったその114列車。通常は2連だそうだが、夏休みは単行になるということを、金上駅の張り紙で知ったのであった。
懲りずに平井踏切で粘り、線路端のひまわりを入れて再びミキ300の115列車。
天候が回復したのは嬉しいが、その分気温が上がってきた。まだ8時過ぎだというのに汗だくで、用意したポカリスエットが早くも残り少ない。今日はいったい何本買うことになるのだろう。
ただ、もともと真夏に一日中撮影を続けるのは無理があると考えていた。旅先で熱中症にでもなったら、しゃれにならない。
なので、この日は中根まで歩いた後、終点の阿字ヶ浦まで行き、徒歩で磯崎まで戻って、いったん引き上げるつもりであった。それでもフリー切符の元は取れてしまう。
で、日中は移動時間に充てて、夕方は関東鉄道竜ヶ崎線の撮影という二股作戦を立てていたのである。