千平からは、また徒歩で手前の南蛇井駅を目指す。
計画では、そのまま神農原、上州一ノ宮、上州七日市、西富岡と歩き続けるつもりであった。
そして、西富岡から東富岡まで乗車すれば、その間の上州富岡は前回下車しているので、東富岡以遠の駅はすべて巡ったことになる。
さらに東富岡から上州福島、上州新屋、西吉井と歩けば、今朝歩いた馬庭〜吉井と合わせ、馬庭以遠はすべて制覇となる。
今から思えば無茶な行程である。しかし、千平から歩き出したときは、結構本気であった。
千平駅から少し歩くと、大きなお屋敷が並んだ先に道祖神があった。
このほかにも、上信電鉄の沿線で、道祖神をいくつか見かけたので、探せばまだまだたくさんあることだろう。
その中でも、この道祖神は2体並んで珍しいな、と思ってネットで調べてみたら、このような形を双体道祖神と言うらしい。
かなり磨耗して補修の跡も見られるが、どこかほのぼのした感じに惹かれ、カメラに収めたのであった。
さらに歩みを進めると、ねぎ畑が広がっている。名産の下仁田ねぎだろう。
ここで撮らない手はない。写真はキヤノンの現像ソフトでピクチャースタイルを「風景」にしたら、少々わざとらしい色になったが、これ以上ないくらいの青空が沁みる。
下仁田の名産と言えば、忘れてはならないのが、右と下の写真。
恥ずかしながら、最初に見たときは、泥団子をうずたかく積んでいると思ってしまったのだが、もちろん蒟蒻芋である。
ちょうど収穫時期なのだろう、至るところで出荷の準備をしていた。
それにしても、本当に今日は天気がいい。今日ばかりは雨男は返上して、道行く先々で気持ちよくシャッターを切る。
そして南蛇井駅に到着。「なんじゃい」という音で有名だが、駅自体、これまたいい感じの構えである。
以下、例によって南蛇井駅のスナップ写真を並べてみよう。
全くもって鉄道趣味人での観点であるが、南蛇井から少し神農原寄りの上信越自動車道をくぐったあたりだけ、線路の山側に高圧電線がない。
つまり、山をバックに撮っても、邪魔な鉄塔などが入らないのである。
この区間で、たまたま通りがかったビニールハウスの横に、パンジーが並べられていたのを見つけ、そこで撮ることにする。
列車を待っていると、近所の人に声をかけられて、話しこんでいるうちに列車が来てしまい、慌てて撮ったのが左の写真。
本当はもう少し右に寄ってパンジーをもっと入れるつもりだったのだが、しかたない。もちろん近所の人も、悪気があったわけじゃないのだから。
ようやく神農原駅に到着。そしてここでギブアップ。
西富岡まで歩くのはやめて、ここから一気に上州福島まで列車で移動することにする。
そうと決めればゆっくり休もう。ホーム横に備えられた自動販売機で缶コーヒーを買って一服。
この日は寒波で冷えるという予報であったが、ベンチに座っていると春のような日和に思わず上着を脱ぐ。
乗車する上り列車の前に、下り列車が1本あるのだが、場所を移動するのも億劫になり、到着の様子を駅で撮る。
神農原駅は、ホームに新しい小さな待合室があるだけの無人駅であるが、後日たまたま、とある鉄ちゃんから聞いた話では、最近まで古い駅舎があったそうだ。