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小湊鐵道(後編)
上総牛久〜上総川間の土手での撮影を終えて、次は桜で有名な飯給駅へ行ってみる。
行ってびっくり、駅周辺が鉄ちゃんや、一般観光客のにわか鉄ちゃんでごった返している。30〜40人はいただろう、日曜とはいえ、これほどまでとは・・・。
こうなったら、どこで撮るかなんて悩むのも馬鹿馬鹿しいと、あっさり里見側にある踏切に決める。
たまたま鉄ちゃんのグループが「ベタなアングルだな」などと話しながら後ろを通り過ぎていった。確かにそのとおり、平凡なアングルであるが、まあこれもよしとする。
できあがった写真は、いかにも静かなローカル私鉄の春といった風情に見えるが、周囲では数十台のカメラのシャッターが一斉に鳴り響いていたのである。
人の多さに懲りて、次はこれも桜で有名な月崎駅へ。
鉄ちゃんは飯給ほどではないにしても、10人以上見受けられる。そのほとんどが飯給寄りの踏切にたむろしている。
ただ、次の列車は下りで後追いになってしまうので、反対の上総大久保側の踏切で月崎駅に停車中の列車を捉える。
もう少し線路に寄りたいところだが、実はホームの端でカメラを構える鉄ちゃん?がいて、茂みで隠したので微妙なアングルとなってしまった。
次の上り列車は、やっぱり飯給寄りの踏切なんだろうなあ、とは思うものの、ここにきて急に天の邪鬼な気分になって、少し離れた道路から撮ることにする。
ちょうど畑仕事を終えた農家の人が通りがかり、いつもどおり「お邪魔してます」とご挨拶。
すると、「ご苦労様、カメラマンが大勢来ているね」と答えが返ってきた。
がっしりした体躯に、にこやかな顔立ちから、人柄のよさが滲み出ている。ほっとした気分でしばし立ち話。
別れ際に「作物を踏みつけなきゃ、畑の中に入って撮ってもらっていいから」と言われたものの、さすがにそれは遠慮して、月崎駅を発車した列車を撮影したのであった。
月崎駅のホームから満開の桜を眺める。鉄ちゃん目的で来たのであるが、しばしお花見モード。
この日の最後は上総大久保駅。もう陽も傾いているが、定位置とも言うべき養老渓谷寄りの踏切には、まだ10人くらいの鉄ちゃんがひしめいている。
やはり天の邪鬼にその輪には入らず、別の角度で下り列車を撮る。
これで予定終了。飯給駅の夜間撮影との思いもあったが、昼間の様子だと夜になっても人出が多そうなので、さっさと宿に入る。
そう、せっかくここまで来たのだから、今日の宿は養老渓谷温泉。一人客を泊めてくれる宿をやっと見つけ、ゆったり温泉につかる。聞いていたとおり、お湯が真っ黒なことに驚きながら。