早速、黒石から、何の芸もないけれど、再び柏農高校前に戻り、ラッセル車を待ち受ける。チャンスはたった1回なので、欲を出して2つのアングルで狙う。まずはズームを望遠側に寄せて遠目から。かなり激しく雪を巻き上げて、後ろから押すED333の姿がすっぽり覆われてしまった。
そして、近づいてきたラッセル車をもう1枚。晴天下で撮った大鰐線に比べると、いかにも凍てついた感じがする。
すぐに追いかけようと直後の弘前行きに乗車する。平賀で追い越すが、同乗していた鉄ちゃんが「回送されるのかな」とつぶやいたのがひっかかる。確かにもう15時で、このまま弘前まで除雪していくと、夕暮れになってしまうかも知れない。とりあえず予定していた運動公園前で下車しかけると、先ほどの鉄ちゃんが降りていく。なんとなく気おくれして、そのまま弘前まで乗車。ここで待ち構えることにする。
でも、ラッセル車は来ず、次の普通列車が到着してしまった。やはりラッセル車は黒石へ回送されてしまったのだろうか。そうとなれば、黒石へ追いかけようと、折り返しの普通列車に乗車。そして新里に到着して「やられた!」、向かいのホームに、ラッセル車がいたのである。朝、黒石へ向かうときは、交換してしまわないか注意していたのに、ここはノーマークだった。あわてて下車したものの、ラッセル車はすぐに発車してしまい、後追いするのがやっと。あの鉄ちゃんの一言がなければ、なんて他人のせいにしてもしょうがない、自ら判断したのだから。
こうなったら、あとはそれこそ回送を狙うしかないと、何とかのひとつ覚えの柏農高校前へ。雪もやんだので、例によって横から撮れる場所へ少し歩く。バックは岩木山なのだが、残念ながら全貌が見渡せるほど天候は回復せず。そんな中、ラッセル車の回送が走り抜けて行ったのであった。
柏農高校前に戻ると、駅名の高校生たちだろう、大勢電車を待っていた。昨日とは打って変わって、にぎやかな電車で弘前へ引き上げる。
空席を見つけ、迷わず座ったとたん、ヒーターと人いきれで身体が火照る。そんな車内で、2日間を振り返って、つくづく思う。ちょっと失敗はあったが、大鰐線と弘南線の両方のラッセル車を撮れたのだから大収穫だ。これ以上ない充足感に満たされて、さらに上気してしまうのであった。
【2012年1月現地、2013年1月記】