南阿蘇鉄道
南阿蘇鉄道は、1986(昭和61)年、国鉄高森線から転換した鉄道である。
もう30年近く前、国鉄高森線時代に来たことはあったが、南阿蘇鉄道となってからは、昨年(2003年)7月、高千穂鉄道からバスで高森に入り、乗車したのが初めてであった。
その日は天気が悪く、お目当てのトロッコ列車『ゆうすげ号』は運休。本当は『ゆうすげ号』で立野へ行き、折り返しの列車を近くで撮影、ついでにJR豊肥本線の『SLあそBOY号』を有名なスイッチバックで撮るという盛り沢山の計画であったが、すべて諦め早々に引き上げてしまった。
雨のため運休が決まり、引き上げられるトロッコ列車。
客車の妻面を見れば、元貨車であることは一目瞭然。
その客車に比べたら、機関車はとても小さい。
2度目の南阿蘇鉄道は、高千穂鉄道<再訪編>でも書いたとおり、同じ年の10月。
時間の都合でトロッコ列車に乗るのはあきらめ、8時20分立野発の列車で途中駅の見晴台駅に行き、近くの畑で上りの『ゆうすげ号』を撮影する。
澄みきった青空の下、阿蘇の外輪山に抱かれた畑の朝はとてもすがすがしい。『ゆうすげ号』が来るまでの1時間近い待ち時間も、まったく苦にならなかった。
ただ、出来上がった写真は、肝心のトロッコ列車が小さくなりすぎてしまったので、トリミングして大きめにご紹介。
雲ひとつない青空に、阿蘇山の噴煙だけがくっきり映えるすばらしい天気。これだけ天候に恵まれることは滅多にない。このまま去るのはちょっと惜しい気もするが、予定どおり次の列車で高森に出て、高千穂鉄道へ向かった。
これで南阿蘇鉄道は終わり、というのも愛想ないので、トロッコ列車以外の車両をいくつか紹介して締めくくることにしよう。
左上) 主力のMT−2000A形。
雨で運休したトロッコ列車の代役で入線。
右上) 前面を傾斜させたMT−3001形。
左) レトロ調のMT−3010形。
(すべて高森駅で撮影)
【2003年7・10月現地、2004年9月記】