金木駅は建替工事中で、仮駅舎の場所を少々探してしまったが、工事用の詰所と思った小さなプレハブがそれであった。
金木〜津軽飯詰間は、タブレット閉塞のはずだが、こんな小さなプレハブ小屋に閉塞機があるのかと出札口からのぞきこむと、しっかり鎮座していた。
12時半すぎ、定刻どおりお目当てのストーブ列車がやってきた。
大勢の乗客が下車したのは予想どおりであったが、入れ替わりに乗り込むと車内はがらがら。これでは降りすぎで、写真を撮っても風情が出ないなどと、身勝手なことを思う。
しばらくすると、少年のような車掌が石炭を運んできた。早速、ストーブに石炭をくべるシーンを撮らせてもらう。
車掌は正に紅顔の美少年という顔立ちで、いかにも女の子にもてそうな感じだ。(ちょっとうらやましい)
終点の津軽中里のひとつ手前の深郷田で一旦下車することにする。走行写真を撮るために、ここで折り返しのストーブ列車をホームで狙って再び乗り込もうという魂胆である。
深郷田のホームに降り立ち、「写真を撮りまくって失礼しました」と美少年車掌にお詫びして、切符を渡そうとすると、「降りるんですか?上りは通過してしまいますが」
「えっ!? それなら乗ります」と慌てて飛び乗る。他の乗客から「あれ、降りたんじゃないの」という目で見られているようで気恥ずかしい。
後で時刻表を確認すると、確かに上りは通過になっている。これで鉄ちゃんと称しているのだから、本当に恥ずかしい。