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津軽鉄道
ある意味、予定外の津軽中里駅。スーパーが併設されたりして、ずいぶん様子が変わっている。
と、感慨にふけっている暇はあまりない。折り返しまでの10数分の間、次に向かう予定の津軽飯詰までの切符を買い、機関車の付け替えや客車の煙突の煙を撮り、慌しく過ごす。
定刻の13時13分、五所川原に向かって発車。帰りはもう1両の客車にしようと思ったら、団体用ということで封鎖されている。結局往きと同じ客車に戻り、ほっと腰を下ろす。写真もだいたい撮ったし、金木からは混むだろうから、束の間の客車の旅をゆっくり楽しもう。
ふと、テーブルの下の灰皿が目にとまる。そうだった、珍しく津軽鉄道は禁煙じゃないんだ。これまた混まないうちに一服しようと煙草に火をつける。とはいえ、なんとなくこそこそしてしまうのは、時代の流れか。
それにしても旧型客車に乗って煙草を燻らすなんて、これまた20年ぶりくらいではないだろうか。白い車窓に紫煙が煙る。
金木駅で停車中にタブレットの交換を撮ろうとホームに出ると、機関車から降りた機関士の手に、棒状の通票が握られていることに気づいた。そうだ、津軽鉄道の通票は棒状の珍しいものだったんだと思い出し、慌てて声をかけて写真を撮らせてもらう。その棒状の通票を、駅長が持つタブレットと交換する。
そのシーンをしっかり見ていたのに、つまりタブレットを受け取ったのだから発車するはずなのに、何をぼけていたのか、交換列車がやってくると思い込んでホームでぼんやり立っていた。
客車に車掌が乗り込むのを見て、「あれ、もう発車ですか?」(まだ気づいていない)と尋ねる。
「そうです」
「えっ!? それなら乗ります」
本当に美少年車掌には迷惑のかけっぱなしで面目ない。