車内に戻ると、乗客が増えてはいたが、座りきれないほどではない。ストーブの隣のボックスに座り、何枚か写真を撮りながら、津軽飯詰に向かう。
津軽飯詰では、車掌にまた乗車すると誤解されないよう、声をかけて下車する。
「今度こそ間違いなく降りますから・・・」
改札口横の下屋に2本の信号てこが納まっていた。津軽鉄道は場内信号機のみが腕木式なので、2本というのは少々さみしい。
津軽飯詰は五所川原と金木の中間にあるから、閉塞器は2つあるはず、と出札口からのぞくと、やはり窓際にちゃんと2つ並んでいた。何を隠そう、ここで下車したのもこの2つ並んだ閉塞機を見るためなのであった。(注)
(注)無人化して交換がなくなったということは、閉塞機や腕木式信号機も役割を終えてしまったことになる。
嘉瀬駅の無人化といい、本当に残念なことだ。
ストーブ列車の走行写真を撮り損ねていたので、津軽飯詰から一駅歩いて五能高前付近で下りストーブ列車を撮る。ただ、場所を決めかねているうちに来てしまい、なんとも中途半端なアングルになってしまった。
帰りの列車の都合で、上りストーブ列車を待つ時間はない。仮に待ったとしても、日も暮れて真っ暗になってしまうだろう。
それでも、「やはり来てよかった」、津軽飯詰方に去り行くストーブ列車の後姿をながめながら、思うのであった。
【2003年12月現地、2005年1月記】