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山形鉄道
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 今年(2010年)4月下旬、いつものことながら東京出張の後、強引に山形鉄道へ向かった。
 時期からもおわかりのように、目的はもちろん桜。
 ところが今年の春は遅く、おまけにこの日は異常に寒い。新幹線で山形へ向かう途中、真っ白に雪化粧した福島の町をみて、こちらは真っ青。
 本当は赤湯でレンタカーを借りるつもりが、仕事を終えて東京を出発したので、営業時間に間に合わず、途中の米沢で下車。
「雪は大丈夫でしょうかね」レンタカーの店員に尋ねる。
「福島は雪らしいけど、この気温なら山形は大丈夫でしょう」
 確かに寒いとは言え、底冷えというほどではない。
 その日は長井まで移動して宿泊。
 翌朝、窓の外を見ると幸い雪ではないが、どんよりとした曇り空。そして最も恐れていたことだが、前夜、暗闇で様子の分からなかった駅前の桜は、堅いつぼみ。見事に出鼻をくじかれたのであった。
 まあここまで来て、残念がっていてもしかたない。きっぱり桜はあきらめて撮り鉄に徹することにしよう。
 まずは長井から2駅目の羽前成田へ。
 近くに小学校があるので、このところ恒例ではあるが、小学生の列車通学を期待したのである。
 結果は残念ながら空振りだった(スクールバスを見かけたので、そちらで通っているのだろう)のだが、いかにも『国鉄ローカル線』ムードにあふれた古い駅舎はいいものだ。

羽前成田駅 待合室
駅舎自体は、かなり手を入れられていて、木造らしさはあまり感じられない。
でも、中に入ると、そこは国鉄時代のままの出札口に手小荷物窓口が並んでいる。

駅名票 206D到着
この駅名票も国鉄時代のままに違いない。
そもそも蚕桑駅との間には白兎駅が、長井駅との間にはあやめ公園駅ができたのに、表示も古いままというのがご愛嬌。
上り206Dが入線。
下車客は小学生はおろか、1人もなし。通勤通学客が3人だけ乗り込んだ。


 線路の西側には防風雪用の鉄道林が広がっているのも北国に来たことをしみじみ感じさせる。
 その鉄道林をバックに、一面のヒメオドリコソウを入れて撮る。

鉄道林をバックに


水仙とつくし
 次の列車までは30分くらいあるが、下手に移動するとポイントを決めきれないような気がして、そのまま羽前成田駅で撮影を続ける。
 駅の横には整備しかけ?の公園があって、水仙の花と、かわいらしいつくしがいっぱい。そこで滅多にこういう撮り方はしないのだが、水仙とつくしにピントを合わせ、列車は遠景にぼかして撮影。
 もう1本は、少し白兎側に寄ったところから、雲が低く垂れ込め、幻想的な雪山をバックに。こんな天気ならではの光景だ。天候が悪くて気分は沈みがちだから、ちょっとは逆手に使わなくちゃね。

低く垂れ込めた雲


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