長井駅から再び車で移動。車窓からも気づいていたのだが、車内の案内で、白兎〜蚕桑間では、防風雪林の家がたくさん見られると説明があったからだ。
蚕桑駅の駐車場に車を置き、雨が降り続いているので、あまり遠出はせず、駅の近くで撮る。そのせいもあって、肝心の防風雪林が目立たなくなってしまった。(右写真で、列車の後ろに見える濃い緑色の木々が防風雪林)
最後は荒砥に近い最上川橋梁へ。東海道本線の木曽川橋梁から流用したという1887(明治20)年製の古いトラス橋だ。
がっしりした骨格は見応えがあるのだが、列車の撮影にはあまり適さない。少々無理があるが、最初の下り列車は、トラス橋の合間に顔を出した瞬間を捉えてみた。
荒砥で上り列車がすぐに折り返してくるので、急ぎ足で対岸に渡り、トラス橋を抜け出たタイミングで。
朝一番に羽前成田で撮ったときと同様、バックの山に垂れ込めた雲が印象的であった。
このあと上下1列車ずつ撮ったものの、一向に天候は回復せず、長井に引き上げ、なんとなく気になった町中を散策する。
思ったとおり、木造の長井小学校、洋風建築の元桑島医院など、そこここに興味をそそる建物がある。
そんな町を散策する途中、たばこを買うために立ち寄った衣料品店のご主人に、つい「桜目当てで来たのに残念」と言ってしまった。
「そうなんですよ。観光客もたくさん来られているのに本当に申し訳なくて」
と平謝りされてしまい、こちらが恐縮してしまう。
自然現象なのだから仕方ないのに、さきの車掌といい、気立ての好さは山形県人の人柄だろうか。