今回は趣向を変えて、実験工作をしてみよう。
電車がカーブを曲がれることを実証する実験である。と言っても大した工作ではない。5分もあれば十分である。
カーブした線路では、当然、外側のレールのほうが長くなるので、外側と内側で車輪の回転数を変えるか、外側の車輪の径を太く、内側を細くしなければ曲がれないはずだ。
その答えは、『がんばれ!路面電車』にも書いたとおり、電車の車輪は踏面が傾斜していてるので、カーブで左右の車輪の径が変化するのである。例として、テーパーのついた(底の細くなっている)コップのイラストもあったはずだ。
では、早速、紙コップを回転させて・・・いやいや、それで実験工作とはあまりに能がない。
そこで、実際に線路をつくって、テーパーのついた車輪と、ない車輪を走らせて、比較してみようと思う。
なんて、えらそうに書いたけれども、種を明かせば『神戸市立青少年科学館』の展示品の縮小コピーなのである。
1.用意するもの
・ちびた色鉛筆(断面が丸い鉛筆)2〜3本
・鉛筆削り(鉛筆を回して削る簡単なもの)
・セロテープ(できればメンディングテープ)
・カッター、はさみ、定規
・A4上質紙2枚(広告紙などでもよい)
右写真は30万画素のトイデジタルカメラで撮ったものなので、画質が悪いのはお許しを。
2.工 作
(1)車輪づくり
・右図のとおり、ちびた色鉛筆1本の両側を削り、5cmくらいの長さに整える。芯を尖らせる必要はない。
・もう1本はそのまま(片方を削ったまま)にしておく。
もし、もう1本あれば、先を落としたものをつくっておく。
(2)材料の裁断
・まず、レールとなるA4用紙2枚を右図のように裁断する。
・『内』と書かれているのが、内側レール、『外』が外側レールを表している。グレー部分は不要。
・斜めに裁断するのは、線路の傾斜のためで、A4横約30cmで2cmの勾配ということは、約67パーミルとなり、奇しくも今はなき碓氷峠と同じである。
ただし、2枚目の『内B』だけ、3cmの勾配なのが味噌。
・これらの裁断は、あまり正確さは問わないので、広告紙などの大きさに合わせて適当に切ってもらって構わない。
(3)線路の組立
・裁断したパーツをすべて2つ折にして、『内A』と『内B』、『外A』と『外B』をテープでつなげる。
・平らな机や床などの上に内側、外側のレールを3〜4cmくらいの幅で並べ、B部分でカーブするよう癖をつけて、テープで留める。
この際、内側と外側のレールは、カーブ終端部で合わせるようにする。
このため、内側レールの始端部は、手前にはみ出すことになる。内側、外側のA部品の大きさが1cm違うのはそのためで、それでも高さが狂う場合は、2つ折りを広げたりして、調整する。
右写真のとおり、かなりいい加減につくっても大丈夫だ。
(4)完 成
・『内C』と『外C』をそれぞれ取り付け、始端部で、はみ出している内側レールを切り落とせば、できあがり。