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伊予鉄道 後編
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制御盤
まさしくCTCのような制御盤
 古町駅に戻ったころには雨は本降りになってしまった。しかたなくバッグから折りたたみの傘を出す。でも、西日本を延べ20日以上まわった今回の本の取材で、傘をさしたのはこのときだけで、全体的にみれば、天候には恵まれたほうだろう。
 古町駅のホームには、一見、駅員の詰所のような信号所がある。ここで単線区間である松山駅前〜平和通一丁目間の信号を制御しているのだ。許可をもらって入ってみると、CTCのような大きな制御板がある。思わず、
「これはCTCと同じですよね」と尋ねると、
「う〜ん、まあ、CTCと理解してもらっていいです」との答え。厳密にはしくみが異なるのだろうが、素人目にはCTCそのものである。

 古町では、実はもう一度高浜線と平面交差している。ただ、この区間は路面電車も専用軌道になっているので、大手町のように、路面電車が人や車と一緒に踏切を渡るという面白いシーンは見られない。でも、鉄道線を遠慮がちに斜めに横切っていく路面電車の姿は、ほほえましく感じる。
元京王帝都5000系
鉄道線を横切る路面電車
右手後方の古町駅を発車した
鉄道線の電車が走り去ると・・・

軌道線の路面電車が鉄道線を
横切って古町駅に進入する。

 その後、一旦松山駅に戻って昼食をとり、後回しにした道後温泉へ。ここの駅舎は、昭和61年に、明治時代の創業当時の駅舎を再現したもので、由緒ある道後温泉の入口にふさわしい風格がある。雨は降り続いていたが、そのおかげで落ち着きが増して、明治時代の風情が際立つようであった。

 道後温泉からは単線区間の様子を見たり、本町線に乗ったりして、また松山駅に戻り、構内の喫茶店で一息入れる。さすがに雨の中を動き回ったこともあって、どっと疲れが出てきた。「ちょっと予定より早いが、切り上げるか」ということで、次の目的地、高知行きのバスに乗り込んだのであった。

【2000年4月現地、2001年5・6月記】




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